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WEEKLY “N”|T医師のひとりごと|すずかの気ままにDO!
 
第23回●2004年12月

「ノロウイルスについて」

  暗い話題の多かった2004年もうすぐ過ぎようとしています。2004年は、私の出身地の村名が消えてしまった年でもあります。村誕生から47年で合併になりました。特に意味はないのですが私の年齢とほぼ同じでした。また、異常気象や災害が次々と起こり、いったい地球はどうなってしまったんだろうと思う1年間でした。

  高知は、つい先日まで12月とは思えないほど暖かかったのに、年越しが近づくと急に寒くなってきました。インフルエンザなどの感染症の流行が心配な気候になってきました。
  先日休日当番で勤務した病院や私の勤務するクリニックでは、嘔吐や下痢を訴える患者さんが増えてきました。生カキを食べた後に症状が出た方もいて、ノロウィルスによる感染性胃腸炎と思われました。

 ノロウィルスは主に冬に発生する食中毒の原因となったり、全年齢層にみられるウィルス性胃腸炎の主な原因になったりします。感染者の便や吐物、それらに汚染されたものを介して口から感染します。また、汚染された生カキや魚介類、水などを通じた感染もあります。主な症状は、嘔吐や下痢、発熱、腹痛などです。症状が出るまでの潜伏期間は、1〜2日です。比較的症状は軽く数日で治りますが、まれに1日20 回程度の激しい下痢をすることがあり注意が必要です。 日本では11月から1月を中心に流行します。

 治療は、症状を軽減する薬(吐き気止め、下痢止めなど)を使うことが主で、今のところ抗ウィルス剤のようなウィルス自体に働きかける治療法はありません。脱水症を予防することがが大切で、スポーツ飲料のようなものを飲んだり、場合によっては輸液(点滴)をしたりします。脱水の程度によっては入院が必要な場合もあります。

 予防は、手洗いが第一です(トイレの前後、調理前、感染者の看病をした後など)。二枚貝は加熱して食べることや調理器具を清潔にすることも予防になります。
  また、冬にはほかにロタウィルスでの胃腸炎も流行します。このようなウィルス性胃腸炎による急性の下痢の場合は、胃腸の保温と安静が必要です。当初は栄養補給より水分や電解質(塩分やカリウムなど)の補給を優先します。

 そういう点では先に述べた、スポーツ飲料なども有効です。(電解質をより調整した医療機関で使用したり、薬局などで販売しているものもあります。)
  下痢の時の食事は、お粥などの流動食やうどん・食パンを中心とします。豆腐は比較消化が良いようです。食物繊維の多い食品や脂っこいもの、冷たいもの、香辛料などは控えめにして、牛乳は極力控え、アルコール、カフェイン(コーヒーなど)、炭酸飲料は避けましょう。

 最後になりますが、2005年は良い年でありますように。


 
 

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