HOMEへ戻る 研究所案内研修プログラム実 績セミナー情報お問合せ
|WEEKLY “N”|T医師のひとりごとすずかの気ままにDO!
 
ウィークリーN

第118回●2005年2月20日(日)

足跡15 「連絡帳はかけがえのない宝もの」


表紙

 毎日の学校生活の貴重な記録である連絡帳。12年間のそれは、どれも大切な宝物だ。すずかは12年間で、のべ40人近い先生方に担当して頂いた。
  特に小学部の頃の連絡帳は、毎日読むのが楽しみで笑い転げたことも多い。びっしりと書き込まれた連絡帳を読み返すと、その当時のことがどれも昨日のことのように蘇ってくる。

■小学部1年生の連絡帳
・朝から元気です。朝の会を仕切ってくれて、「教師いらず」と言われています。
・今朝、「トイレ」と言ってから、私が遅いと「急いでるんですけど」と言われてしまいました。(母)
・2学期を締めくくって、質問してみました。大分学校内の様子も把握してるようなので、「A先生は何組か知ってる?」と聞くと「6組さん」。「じゃあ、B先生は?」「保健室」「じゃ、校長先生は?」「体育館。」 これには、大受けしてしまいました。
・「からだ・かんかく」でドンジャラゲームをしました。すずかちゃんは「好きな先生に南の島のハメハメハ大王を歌っておどってもらう」を引き当て、ありがたいことに「好きな先生は◇◇先生」というご意見をもらい、私は腰ミノをつけて歌っておどりました。
・「土曜日に採血に行こうね」と言うと、「パパは遅いき、看護婦さんに採ってもらう。看護婦さんやったら、すっとすむ。」と言われてしまいました。(父)

■小学部2年生の連絡帳
・「ねえねえママ」「ちょっと待ってすず、今大事なニュースやりゆうき」「なに?」「すずにはわからんろうけど、総理大臣が辞めると」「細川総理?」「エーッ!?なんでそんなこと知っちゅうが?」「ニュースでやりよったで」…いやー、2年生だからってバカにしちゃあいけませんねえ、とすっかり反省させられました、ハイ。
・昨日の家庭訪問ではT先生が「うたって点太くん」(おもちゃの採点付きカラオケ)で騒いだそうで失礼しました。(「うたって点太くん」を学校に持参したので)今日は教師が奪い合いで「カラオケルーム2組」をしてしまいました。ちなみに昨日のT先生よりも私の方が点が良く「やっぱり私の方がうまい」と自分をほめていたらT先生が「これは声が大きかったらえい点が出るが」とくやしそうに説明してくれました。すずかちゃんにも大受けで、子供達はみんな大喜びをしました。

■小学部3年生の連絡帳
・ 夜、TVでラップのDA・YO・NE」が流れると一緒に「だよねー」と歌って大笑いしてました。
・連絡帳を見た私は、年代の違いか、ラップを知りませんで、すずかちゃんに笑われました。マジな顔で「サランラップのこと?」なんて言うと大ウケで、鼻ちょうちんを作りながら、むせこけてしまいました。キーボードで「ラップ」のキーにして、Y先生に踊ってもらいうなずく私の横で、またまた笑い転げるすずかちゃんでした。
・土曜日に、シュワルツネッガーの男が妊娠しちゃうという「ジュニア」というビデオを見て、赤ちゃんを産むのが本当に大変だと分かったのでしょう、「ママ、産んでくれてありがとう」と泣かせる台詞を言ってくれました。

■小学部4年生の連絡帳
・「すーちゃんももうすぐ新しいお家ができるね」と言うと「地図をあげるき遊びに来てよ」と言ってくれるので「先生は地図もほしいけんど、先生のお部屋も欲しいな」と言うと、「リビングをあげる」と言ってくれました。リビングのソファーに名札「I 」をはってください。
・I 先生へ。リビングのソファーに大きく「I 」と書く件、確かに承知しました。で、肝心のソファーですが、まだないので、是非買って下さい。え〜と、コーナー用のソファーの8万円くらいのがいいなー。色は何でもいいですので、ヨロシク♪

連絡帳のページ ・ソファーは私の少ないおこずかいでは難しいですので、「すーちゃん家のリビング別荘計画」は残念ながら撤回します。次なるショッカーの計画は「すーちゃん家の台所におはしとお茶碗を置き、ご飯をごちそうになる計画」にします。おはしとお茶碗なら買えます。オッシャー!
・「ハシと茶碗キープ」の件、確かに承知しました。で、キープ代ですが、 「和牛の牛肉500グラム」で手を打ちましょう。「ブリかマグロをまるまる1尾」でもOKでっせ!

・ それでは来年の2月、甲ノ浦の寒ブリで「ブリブリ会」をしましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  こう読むとまるで冗談ばかり書いているようだが、もちろん日々の時間割、授業の様子や給食の食べた量、体温、排泄など基本的な連絡事項も細かくびっしりと書きこんである。それ以外に、こういう楽しいやりとりがあったのだ。これを読むと、先生方も本当に楽しみながら指導してくださっている様子が伝わってくる。その楽しさは子供にも伝わり、保護者にも伝わる。

 こんな教育の世界があったのだ、と教員免許を持った私でさえ、初めて知った。 1人1人を見つめるからこそ、決して落ちこぼれを作らない教育は子供達をのびのびと育て、 クラス全体が笑いに包まれた温かな楽しい雰囲気の中にあった。 障害児を育てることがこんなにも楽しいとは、初めて感じた気がする。「一緒に育てましょう」という先生方のサポートが常に感じられ、これこそが理想の教育ではないだろうか、と心から感謝したものだった。

 

   
 
ご意見・ご感想お寄せください!
 
 
ページの先頭に戻る
人材育成研修・各種セミナー承ります。
Copyright(c)2002 人・みらい研究所 All rights reserverd.