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ウィークリーN

第139回2005年7月10日(日)

 「追想の詩−天野滋という生き方


  前回も書きましたが、最後までNSPであり続けた天野さんが亡くなって1週間たちました。頭の中ではずっとNSPの歌が流れ続けているのに、どうしてもCDはかけられないでいます。 しかし、心の内は少しずつ変化してきました。
 きっかけは数日前、NSPのメンバーである平賀さんが、NSPの公式ホームページに綴ってくれた想いを目にしたからです。ご自身も数年前に奥様をガンで亡くされたばかりで、今度は親友…。どんなにか、辛かったでしょうに。一読して、その思いの深さに胸を打たれました。

 昨年2月、平賀さんも立ち会って天野さんのガン宣告を聞いたそうです。早ければ6か月、長くても2年以内という非情な余命宣告。
「命に限りがあることを知った天野が自分自身のために選んだもの、それは治療よりもコンサート・ツアーだった。ファンの皆さんにはとってもラッキーなことでしたね。」

 その幸運は壮絶さと紙一重だったんですね。3月のコンサートも、ガンが脳に転移して、ほとんど視力が失われていたんですね。
  そういえば昨年4月、高知に来てくれたときも天野さんは、「これからはどう生きるかがテーマですね」「みなさんも一日一日を大切になさってください」と笑顔で語りかけてくれました。まさかその時は、これが天野さんからの最後のメッセージだとは思いもしないで…。

 亡くなる前の最後4か月、天野さんは淡々と、しかし希望を失わず未来を見つめ、病気と闘っていたとも聞きました。一度は離婚した奥さんが、最後まで彼をずっと陰で支え続けたそうです。

「彼は最後まで、未来を見つめて気高く生きていました。こんな気高い人は他にいません。」と彼女は語ったそうです。紆余曲折があっても、最後は愛する女性に支えられて逝けた天野さんは、きっと幸せだったことでしょう。

「悔いのない人生などないと思っています。そんな中、天野は限られた時間を上手に使って楽しく厳しく生き抜いたなと思います。命を削って完成させた、19年ぶりの新作「Radio days」を筆頭に、この3年間で数多くの作品を残すことができました。これからはあなた方が守ってくださいね。・・・でもありがたいことに、これでNSPは一生解散せずにすんだんだよね、天野のお陰でね(笑)。」

 これを読んで泣きながら笑ってから、大分気が楽になりました。彼は最後まで、私たちが思っていた通りの天野滋だったと。 アーティストはその生き方を含めて、人生そのものがメッセージなんですね。

 最後までNSPとして駆け抜けて行った、あまのしげる。よく叙情的と評された、優しさと情感にあふれた言葉と調べ。それはそのまま、天野さんの真摯な人生の断片であったのでしょう。

  はたして、私はこんなに真摯に人生に向き合っているのだろうか?人生を怠惰に浪費していないだろうかと、反省するばかりです。天野さんが残した宝石のような曲たちを、私たちファンは心のよりどころにして、守っていかなければならない。そしてこれから、天野さんに恥ずかしくないように生きていかなければ。やっと、そう感じられるようになりました。

 永眠した天野さんは、微笑んでいたそうです。平賀さんのメッセージの最後は、こう結ばれていました。
「いい曲いっぱい作っとけよ。100歳コンサートは向こうでやろう!!
なあ、天野。」


 平賀さん、もう、泣かせないでよ…。でも本当にありがとう。
そして天野さん、命まで削って曲を残してくれて、本当に本当にありがとう!
どうぞゆっくりお休みくださいね。100歳コンサートは、48年先だものね。
チケットを手に入れるまで私も、負けずにもう一頑張りしなきゃね!!

 

 
 
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