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ウィークリーN

第190回●2006年7月9日(日)

 「障害者自立支援法の裏で…」


 先日あいにくの大雨の中、高知市立養護学校の夏祭りに行ってきました。とは言っても、遊びに行ったのではなく、すずめ共同作業所として、出店してきたのです。
 みなさんもご承知のように、 障害者自立支援法ができたせいで、施設や障害者の台所事情は前代未聞の危機に瀕しています。毎月の施設利用者負担金は、今年度から驚くほど値上がりしました。うちにも4月に最初来た請求金額が、3月までの6倍以上でしたか…、とにかくびっくりしました。
 施設全体も深刻で、大幅に施設への補助金がカットされたもので、存続をかけて必死の努力をしています。すずめ通所センターでは今年から、10日間程度あった利用者の夏休みがなくなりました。利用者が休むと施設に補助金が入らなくなるためです。給食費もやむにやまれず値上げされました。

 もう一つ、予想外の打撃がありました。今年から、35回も続いた高知市最大の夏祭り「鏡川祭り」が廃止されたことです。毎年すずめでは、このお祭りに出店し、その売り上げで施設費用を補填していました。それがまったく閉ざされてしまい、この打撃は非常に大きいものがあります。

 そこで、せめて小さなお祭りでも数をこなそうと、参加する夏祭りを増やしました。この養護学校の夏祭りもその一環なのです。

 すずめ以外も沢山の作業所や授産施設がブースを出していました。私たちが売るのはクレープ、芋天、たこ焼きとおもちゃ。私はビニールのおもちゃを膨らませているうち、自然におもちゃ担当になっていました。50〜250円まで、水鉄砲、お面、光るペンダント、ビーチボールなどさまざまなおもちゃがあります。
 値段が複雑なので価格表が横に貼ってあるのはご愛敬。小さな子が100円玉を握りしめて買ってくれる姿に心からの笑顔で「どうもありがとう!」、保護者の方にも「ありがとうございました」と頭を下げます。
 売れ行きが一番良かったのは、ビニールで膨らませたバットや、抱き人形でしょうか。小さなポンプで膨らませるのですが、結構不良品も多く、膨らませてみると空気漏れがあり使えないものもありました。種類によっては、4〜5個準備した物が全部不良品だったり。やはり商売にリスクはつきものなのだなあと変な所で納得?
 結局、食べ物は完売。おもちゃもビニールで膨らませるものやお面も完売と、まずまずの売れ行きでホッとしました。
しかしこうしたたゆまぬ努力は今後、ずうっと必要なのだと思うと、 外の豪雨のように心が重くなって行くのでした。

 そういえばこのお祭りの前の日、私は高知県社会福祉協議会主催で福祉施設合同の新任職員研修を行ったのですが、利用者の家族として、QOL(生活の質)も考えて欲しいとの投げかけに対し、沢山の方が「もう一度初心に返って頑張っていきたい」と、ご自分の思いを綴って下さいました。その中にこういったレポートがありました。

「福祉の仕事、職員の質を上げていくことがとても大切なことだと思います。」
「毎日、作業に追われている気がします。このままでいいのだろうかとふと思うこともしばしばあります。・・・作業に追われる施設ではなく、QOLを考える施設の中で、利用者がどのような人生を送れるのか。すごい課題だと思います。」

 今の施設職員の苦悩の一端を感じさせられる文面でもありました。本当に施設職員の皆さまは、大変でいらっしゃるかと思います。でも、これからも利用者の家族としても、共に考え、行動していくことでささやかながら支援をしていきたいと考えています。一緒に頑張っていきましょう!

 
 
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