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第287回●2008年5月25日(日)

 「大学生との楽しい攻防戦

 5月・6月の時期には、大学でインターンシップや実習前のマナー講座があります。
今年は高知県内の3大学(高知大・高知女子大・高知工科大)すべてを回りますが、それぞれに大学の特徴があり、共通項もあり、なかなか興味深いです。

 そして講義では、大学生との攻防戦を結構楽しんでいます。
 まず、着席の位置からバトルは始まります。学生は後ろに固まって座り、「前に詰めて座って下さい」と白板に書いても呼びかけても、いっこうに動いてくれないことがあります。私は講義中も教室の中を歩くので、後ろまで一杯に広がられるとしんどいのです。何より、これから社会に出て行くと、着席の位置でやる気を見られたりするのですが。

 そこで、一計を案じました。「後ろ5列には着席禁止です」と白板に書き、呼びかけて移動を促したのです。すると、学生達は(仕方ない…)という雰囲気一杯に、前へ移動してくれました。やったー!
(写真は席を移動して、ロールプレイ中のものです)

 次に、講義の最初に「寝ないでください。私も一生懸命に伝えるので、みなさんもきちんと聴いてください」とお願い(半ば強制)します。その次の講義では、この要望にプラスして「ガムを噛むなどの飲食も禁止」と付け加えることになりました。(笑)でもこれ、学生に言わせると「眠気覚ましのガム」なんだとか。「今日は眠気覚ましのガムがいりませんでした」と、あるレポートに書いてあったので「へぇ〜」と思いました。

 講義では、社会と学校の違いからマナーについて考えてもらいます。大多数の学生は「自分はクラブ活動やアルバイトを通じ、マナーはきちんとできている」と思っています。ところが「それは社会でも通用するマナーなのか?」ということを確認してもらううち、動揺してきます。ある学生は、「自分はマナーがある方だと感じていたが、遅刻をよくしてしまう。これが一番マナーがなっていない。遅刻とマナーを別物で考えてしまった自分を恥ずかしく思う」とレポートに書いてくれました。こうした気づきが大切なのです。

 講義の最後には、自己紹介のロールプレイングを行います。学生達は仲の良い友人と行うつもりですが、私が「今まで話したことのない人と組みなさい」と言うので、戸惑って固まっちゃいます。自主的に動ける学生は決して多くありませんし、このペア決めにはいつも結構時間がかかります。

 しかし、ここを乗り越えると、学生達は活き活きとしてきます。戸惑いながらも自己紹介をして、初対面の相手から「笑顔を向けられて安心した」、「大きな声でハッキリと話すと感じが良いことが分かった」、「相手の目を見て話す人は好印象だとわかった」と、自然と学んでいきます。「もう1回!」と指示すると「え〜?」と戸惑いが返って来ますが、2度目はよりテキパキと動いてくれます。教室は笑顔の花が咲き、まあ、やかましいこと。(笑)

 「どう、コミュニケーションって、結構楽しいでしょう?」と問いかけると、安心したようにうなずきます。「知らない人と話すのは不安だったが、やってみたら楽しかった」などの感想が数多く寄せられます。こうして実践を交えて、マナーやコミュニケーションを少しでも身につけてもらおうというのが狙いです。

 また、他県から来ているある学生はレポートにこう書いていました。
「私が高知に来て一番びっくりしたことは、誰もが電車やバスを降りる時、『ありがとう』と一声かけていくことでした。すごく感心して、自分もやってみたらとても気分が良く、これも1つのマナーなんだなあと感じました。」

 これは、私も言われて初めて気づきました。そういえばあいさつチェックシートには「タクシーやバスから降りる時、お礼を言ってから降りる」と自分で書いていたのですが(笑)、確かにこれは地方ならではの良さかもしれませんね。
 日常生活の中で、社会における教育力が低下していると言われて久しいですが、こんな身近に、マナーのお手本があったのです。

 

 
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