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第326回●2009年2月22日(日)

 「キャリア教育に思うこと」

 今日は、高知市で行われた「高知県キャリア教育推進フォーラム」に行って来ました。
「家庭、学校、企業」におけるキャリア教育について、3人の講師が講演し、その後トークライブも行うという充実した内容でした。
 中でも、立教大学准教授の小島貴子(おじま・たかこ)さんのお話は前から聞きたかったのですが、今回やっと拝聴できました。小島さんは元カリスマ職業訓練指導員として有名ですが、現在は大学で、社会と大学を結びつけるお仕事をなさっています。
 家庭における キャリア教育、というテーマでご自身の育児体験を失敗も含めて、イキイキとお話しくださり、本当に引きつけられました。
 小島さんがおっしゃった「生徒というのは従って生きる。学生は学んで生きる。」という言葉が印象的でした。生徒は中学生、高校生、専門学校生を指し、学校で教えを受ける人。これは、受動的学びの姿勢と言えるでしょう。対して学生は、大学生(短大、大学院)、高専生。自ら学ぼうとする、能動的学びの姿勢をとる人です。
 
 でも…もしかして現在は、「学生」が「生徒」になっていないでしょうか?考えさせられました。
 もう一つ。文部科学省の藤田晃之さんがお話しなさったこと。
「キャリア教育としてインターンシップが行われていますが、事前学習・事後学習が問題です。事後学習は体験発表をして、拍手で終わり、になってしまいすぎていないでしょうか?」という問いかけに、ハッとしました。
 それで思い出したことがあります。先日、ある大学でインターンシップの総括会に招かれて出席しました。学生達は10人ほどが次々に、自分の体験した「学び」について発表をしていました。大変良くまとまった内容と、しっかりとしたプレゼンテーションでした。
 しかし私は、ずっと違和感を感じていました。発表する学生達の服装が、あまりにラフすぎるのです。トレーナー、ジーンズ、ヒモのほどけたスニーカー…。発表を聞いて頂く、外部から招かれた講師陣は全員がスーツなどきちんとした服装なのに、です。
 また話を聞く姿勢は 静かですが、 多くがうつむき加減で活気がありませんでした。

 そこで、私はあえて苦言を呈しました。「みなさんは、インターンシップという社会体験をしてきました。でもそれは、それだけで完結するものではないはずです。今、この日常につながってこそ、生きた社会体験になるのです。まず、話を聞いて頂くのにふさわしい身だしなみを整えることから始めて下さい。また、話を聴く姿勢はどうですか?」と。

 学生達の目が、真剣になりました。大勢の顔が上がり、大教室の空気が少しキリッと引き締まったようでした。

 キャリア教育は「生き方の種まき」とも言われます。自らが選んだ場所に適応していく力、自分で切り開いていく力をを身につけること。そうしたお手伝いが、ささやかながら これからもできたらと思っています。

 

 
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