さて、 学生も大変ですが、もっと大変なのは再就職セミナーです。
「あ、この人なら、きっとすぐに採用されるのでは」という好感度の高い人が、履歴書を見ると肝心な部分があまり記入されておらず、がっかりすることがあります。その人の良さがまず履歴書に表れていなければ、一次選考の書類で落とされてしまうかもしれません。
また再就職の場合は、履歴書の他に「職務経歴書」を付けなければなりません。職歴だけを選んで詳しく書き出した書類のことです。この書き方がすなわち、自分の仕事ぶりの判断基準にもなりますが、高知ではそのことを知らない方もまだ多くいらっしゃいます。「もう、いつどこへ勤めたか覚えていない」という方もいらっしゃいます。まず、履歴の整理が必要です。
同じペットボトルでも、切り口によって丸にも四角にもなります。どういう切り口で自分を知って頂くのかが非常に重要になるのですが、そういったことをご存じない方がほとんどなので、そのあたりのレクチャーも必要です。新卒学生と違い、再就職組は意外と自己分析や自分の棚卸しをしないまま、面接に臨むことが少なくないのです。
しかし、一番難しいのは、再就職するに当たって今までの自分の立場や役職をリセットすることかもしれません。特に前職で管理職だったなどという場合は、その感覚からなかなか抜け出せず、苦労なさるようです。(あるいは周囲が苦労します。)ついつい態度や口調が上から目線になっていたり、様々な批判をしたり。面接官からどう見えるかを忘れ、「個人の主張」になってしまっては、面接合格はほど遠くなってしまうのですが…。
楽な方へ流れるといった生き癖もあります。ある業界でのお話。ご多分に漏れず新人の早期離職率が高く、問題になっていると聞きました。それも人間関係に悩んだりではなく、「なんとなく」に近い軽い感覚なのだとか。辞めた人はどうしているのかというと、一様にまったくの異業種である介護職に転職するのだそうです。不況でも、求人が多いからでしょう。しかし、介護職も現場は結構厳しいですから、軽い気持ちで入ればまた多くが辞めてしまう。結局、資格を活かして元の業界に舞い戻ってきているが、以前よりも厳しい状況になってしまう…と。
学生、新卒、再就職組、たくさんの方々が就職にチャレンジします。が、「私はこれからどう生きていきたいのか」「そのために、どうすればいいのか」「今、何ができるのか」「これから、何が必要なのか」など足下をきちんと見つめ、充分に準備をしないと、良い結果は出せないでしょう。今後ますます厳しくなって来るであろう就職戦線ですが、世間の物差しではなく「自分にとっての、良い就職」を見つけたいものですね。そこのところは、恋愛と似ているかもしれません。
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