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第329回●2009年3月15日(日)

 「中小企業から見たインターンシップの利点」

 この時期恒例の、春のインターンシップが終わりました。
インターンシップといえば夏が定番ですが、高知県中小企業家同友会では2月〜3月の時期にも、大学生・専門学校生のインターンシップを行っています。
 ところが近年は春のインターンシップに参加学生が少なく、昨年は9名でした。「もうやめようか」という議論も同友会内で起こりました。しかし、学校側から「ぜひ学生のために継続して欲しい」との要望があり、無事今春も行われたのです。
 受け入れ企業は6社、参加学生は17名。今回は1回生が9名と多く、「今後に期待が持てそう」と嬉しくなりました。高知県中小企業家同友会に所属する企業のインターンシップは、初日に社員も参加する合同ビジネスマナー研修会があり、1週間たったところで学生のみの交流会、最後に企業・学生・学校が一緒になった総括会という流れがあります。
 総括会では、全員の学生がインターンシップをふり返っての感想を2分程度で発表します。夏は人数が多いので大変ですが、春は比較的ゆったりできます。わずか数週間前には聞き手を見る余裕もなかった学生達が、堂々と自分の言葉で体験を話す成長ぶりには、毎回感動します。
 3年前にも、この欄で総括会のことを取り上げましたが、その頃に比べると大学・専門学校側がインターンシップ担当を配置するなどずいぶん熱心に関わってくださるようになり、ありがたいことです。私は企業側に所属しつつも、3つの大学でインターンシップガイダンスの講義に関わるなど、両方の視点から学ばせて頂いています。

 学校側が危惧することに、「マナーもできてない1年生を行かせて、企業側に迷惑をかけないだろうか?」ということがあります。しかし、企業側にすると実はインターンシップは大きなチャンスなのです。

 特に中小企業では、社員意識の向上・社員教育に非常に役立つのです。新人の定期採用は難しい中小企業にとって、ともすれば社員関係はマンネリ化しやすい。そこに新入社員の感覚に近い学生が入ってくることによって、現場社員も「どうやって新人に説明すればいいのか」「何を話したらいいのか」という、1段上の視点を求められるわけです。また自分がお手本になることによって成長できる、またとない機会を得られるのです。

 「うちには無理」「まだ、きちんとした受け入れ態勢ができていないから」と、インターンシップに対して積極的になれない企業も多いのですが、万全の態勢でなくても、「働くこととは何か」の現場を見せることで、学生にとっては様々な学びができると思います。

 このインターンシップを通じて、中小企業に対する見方が変わった、という学生も多いのです。「社長との距離が近い」「組織における自分の影響力など、手応えを感じられる」「人間的な付き合いができる」など、中小企業のプラス面を知ってもらうのに、インターンシップは大きな貢献をしています。


 今回から、インターンシップの修了証書も発行されることになりました。学生達は思いがけず手にした証書を抱え、嬉しそうでした。学校や学年を超えた交流が生まれ、現場での体験や企業情報も交換できるのですから、大きな成果です。
 しかし側で見ていると、実は企業の管理職(インターンシップ担当)が、一番大きな学びを得ているのではないかと思います。初心を思い出し、情熱を持って、現場を見直すきっかけを得る。私自身、社会人インターンシップを通じてまたとないスタッフを得ることができ、その成果を痛感しています。

 これからもより多くの企業がインターンシップに参加してもらえれば、と願っています。

 
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