3年前にも、この欄で総括会のことを取り上げましたが、その頃に比べると大学・専門学校側がインターンシップ担当を配置するなどずいぶん熱心に関わってくださるようになり、ありがたいことです。私は企業側に所属しつつも、3つの大学でインターンシップガイダンスの講義に関わるなど、両方の視点から学ばせて頂いています。
学校側が危惧することに、「マナーもできてない1年生を行かせて、企業側に迷惑をかけないだろうか?」ということがあります。しかし、企業側にすると実はインターンシップは大きなチャンスなのです。
特に中小企業では、社員意識の向上・社員教育に非常に役立つのです。新人の定期採用は難しい中小企業にとって、ともすれば社員関係はマンネリ化しやすい。そこに新入社員の感覚に近い学生が入ってくることによって、現場社員も「どうやって新人に説明すればいいのか」「何を話したらいいのか」という、1段上の視点を求められるわけです。また自分がお手本になることによって成長できる、またとない機会を得られるのです。
「うちには無理」「まだ、きちんとした受け入れ態勢ができていないから」と、インターンシップに対して積極的になれない企業も多いのですが、万全の態勢でなくても、「働くこととは何か」の現場を見せることで、学生にとっては様々な学びができると思います。
このインターンシップを通じて、中小企業に対する見方が変わった、という学生も多いのです。「社長との距離が近い」「組織における自分の影響力など、手応えを感じられる」「人間的な付き合いができる」など、中小企業のプラス面を知ってもらうのに、インターンシップは大きな貢献をしています。 |