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第37回●2003年7月19日(土) 「勉強会の夜は更けて」


私は高知工科大学起業家コースに在籍しているが、今年度、学生達で自主運営する教科が開設された。その名も「地域産業振興論」。自分たちが選んだ「話を聴きたい地域の経営者」の会社を訪問し、様々なお話を伺うというものだ。地元で評判の、元気な経営・優秀な経営の裏に何があるのか、講話の後、インタビュー形式で沢山の質問に答えていただくという、まさに夢のような企画。訪問する学生は全員社会人学生、しかも10名以下なので、非常に和やかなムードでゆったりと、実践的な深いお話が伺えたりする幸せな講義である。

昨夜は、その第二回めの勉強会があった。訪問先はトヨタビスタ高知の横田英毅社長。昨年度の日本経営品質賞を受賞なさった、高知の誇る人材・接遇No.1の企業である。日本経営品質賞受賞以降は、お忙しく全国を講演に回られているのだが、なんとかその合間にスケジュールを空けていただくことができ、夕方6時半、トヨタビスタ高知に9名が集合した。

車で玄関前に行くと、スタッフが待機していて、「ようこそいらっしゃいました」と出迎えてくれる。「工科大の勉強会です、お世話になります」と言うと「ではお車はこちらで移動させていただきますので、どうぞ」と、笑顔で中へ誘導。まるでホテルのようである。これが車検などのあらかじめ予約してある場合だと、どのスタッフであっても「筒井様、ようこそいらっしゃいました」とちゃんと名前を呼んで出迎えてくれる。なんで知ってるんだろう、と最初不思議だったが、後でナンバープレートの確認によりきちんとシステムが確立しているのだと説明を受け、納得した。


横田社長の「全従業員を勝利者にする」という人間性尊重のお話は、特に人材教育に深く関わっていて、私にとっては最も興味ある分野のため、楽しくて楽しくて。日本経営品質賞を高知の企業が受賞したのもすごいが、それは今までの23年間のたゆまぬ努力の結果が形として実っただけ、と淡々と語っていらっしゃったのが印象的だった。


休憩を一度取ったが、学生からの質問も限りなく出て来て、「僕は別に時間は構いませんよ」という社長のご厚意に甘え、私たちは時間を忘れてお話に聴き入り、意見交換をした。

ガラス張りのショールームの向こうは激しい雨。しかし、こちらは「良い会社とは」「若さとは」「経営戦略は」「採用人事は」…限りなく、お話が続く。不思議にいくら伺っても「もっと伺いたい」という欲は湧き出るばかり。ああ、幸せ。だってこれが一般の会場での講演会なら、「そろそろ時間ですので…」となるところだが、会社のショールームというご厚意に甘え、時間を気にせずに徹底的にお話を伺えるのだ。こんな幸せなことがあっていいのだろうか、と思いつつ「今の教育は…」などと活発なやりとりは続く。

気がつくと、何と12時前。もう、日付が変わるじゃないか!5時間半も居座ってしまった。さすがに、心を残しながらも撤退。しかし、本当に幸せな時間だった。そう、なんか「智の温泉」に入っている感じ。いつまでも出たくないような気分になってしまう。これはやはり、横田社長のお人柄によるものだろう。温かく、誠実で、細かな気配りをしつつコミュニケーションを図る。そしてその知的世界は限りなく深い。そういえば晩ご飯も食べていなかった、と気づいたが、精神の高揚感はそんなもの吹き飛ばしてしまっている。

とはいえ、社長は連日こういうスケジュールをこなしてらっしゃるようで「この間の会も12時までだった」「東京からの勉強会の方が11時まで話し込み、近ければもっとお話を伺えるのにと悔しがっていた」という話を友人から聞くと、「高知にもこんな素晴らしい経営者の方がいらっしゃるんだ!」と思い、誇らしい 幸せな気分のまま、帰宅したのでした…。

 

 
 
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