HOMEへ戻る 研究所案内研修プログラム実 績セミナー情報お問合せ
|WEEKLY “N”|T医師のひとりごとすずかの気ままにDO!
 

第444回●2011年6月18日(土)

「コミュニケーションの振れ幅」

 

(中村 覚)
 先日、高知県東部のある高校で全校生徒を対象にコミュニケーションについて、代表の筒井が講演をしました。
 場所は体育館です。椅子が並べられ150人ぐらいの生徒の座席の後ろには保護者の方もいらっしゃり、ちょっとした授業参観の雰囲気でした。講演開始、数分前、じわじわと生徒達が集まり着席していきます。

 そんな中〜「はい、クリップボード(の留め金)をパチパチさせない!今日、初めて使う物なので壊さないように!」生徒一人一人にメモ用にと配られたボードに、注意を促す先生の声です。数人の生徒達が開始までの間、時間を持て余しついついボードでパチンッ、パチンッと暇つぶしの様子は、学生らしくて微笑ましかったです。

 まずはコミュニケーションやマナーについての話をし、それについて生徒3〜4人に「どう感じましたか?」と問い掛けをしました。最初に当てられた生徒は少し時間を置き、なかなか答えてくれません。でもその気持ちもわかります。これだけの人数の中で発表するというのは、心臓が前に飛び出るような緊張感を伴いますので。(自分が同じ立場ならそう感じます。)

 30秒ぐらい経ってからやっと答えてくれました。その生徒の感想は「特になし」でした。もちろんこの言葉が真意でないのは分かります。

 生徒にすると普段の授業のように「求められている答え」を探した結果、手頃な答えが見つからなかったので、ここはとりあえず無難に「わかりません」と同じような感覚で「特になし」と答えたのかなと。もしくは自分の気持ちをみんなの前で言うのが恥ずかしいので、「特になし」にしておこうと思ったのか・・・。

 しかし最初の生徒が「特になし」と答えてしまうと、その後に質問された生徒もそれに乗っかり「特になし」「特になし」となってしまい、全体が意思の疎通をし合える雰囲気ではなくなってしまいます。

 これを受けて、「日頃の教科のように、答えをみなさんに求めているわけではありません。みなさんがどう感じたのかを聞いているわけですから、それぞれの言葉で自分の思いを表現するように!」と筒井から「活」が入りました。

 この後、生徒達にはペアになってもらい意思疎通を図るロールプレイングをしてもらいました。笑顔で積極的に参加している生徒が多い中で、そうでない生徒もちらほらと見受けられました。

 ペアですので、片方にやる気があっても、もう片方にやる気がなければコミュニケーションは成立しません。相手の顔も見ないという態度の生徒は「やらされ感」が嫌で拒否をしているのかもしれません。しかしそれは目の前の相手に対し失礼です。

 その後 うまく結果を出せたペアにその結果を発表してもらい、みんなに参考にしてもらってからもう一度ロールプレイングをすると、より全体が活気づいて来ました。


 これは筒井から教えてもらった話です。                  
「豊かな生活や人生というのは物質面、精神面、この両方から成り立つもの。そしてその豊かさは、実は他人がもたらしてくれるもの。だからこそ他人とのコミュニケーションは大切!」

 これを聞き「確かにそうだなあ」と納得しました。そしてふと思ったのが、「運」についてです。運が良いとか悪いとかの「運」です。何か良いことがあったりすると「運が良い」と言ったりしますが、この時の気持ちとしては英語の「lucky(ラッキー)」が当てはまるように思います。「やったー、嬉しい、ラッキー!」です。

 でも漢字だと「運ぶ」と書き、字面だけ見ると他人が運んできてくれるもの、他人に運ぶもの。そういったものが「運」なんじゃないでしょうか。人や物との思わぬ出会いを含んでこその「運」。だからそこ人とのコミュニケーションはやっぱり大事だと思いました。

 さて、講演の最後に生徒から質問を受け付けたところ、なんと3人もの生徒が自分なりの質問をしてくれました。

「自分はコミュニケーションにはある程度自信がありますが、社会に出てから自分のコミュニケーション力が通用するか不安です」とか、「苦手な人とはどうやってコミュニケーションをとればいいですか?」、その他「異性との話し方がわからない」などなど。
  
 これらの質問に答える代表の筒井を見る生徒の皆さんの目も真剣そのもの!わずか1時間の間にこれだけのコミュニケーションの振れ幅、こんな大ドンデン返しが起こるとは思ってもいませんでした!これこそがコミュニケーションの醍醐味です。

 学生の皆さん、ありがとうございました。

 

 
 
 
ページの先頭に戻る
人材育成研修・各種セミナー承ります。
Copyright(c)2002 人・みらい研究所 All rights reserverd.