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ウィークリーN
 

第500回●2012年7月22日(日)

 500回記念 ミニタイガープロジェクト最後の活動」 

 早いもので、この「WEEKLY N」を始めて、今回で500回を迎えました。
いつから書き始めたっけ…と改めて調べてみて、びっくり。2002年からですから、今年で10年になっていたのです。 まるで人ごとのように、「へえ、そうなんだ」と思ってしまいました。正直、いつのまにかこうなっていた感じです。

 今回は長文ですが、お許しくださいね。

 さて、300回・400回の時には読者プレゼントを企画しましたが、500回記念に何をするかは早くから決まっていました。昨年立ち上げたミニタイガープロジェクトを通じ、震災で被災した岩手県宮古市の子どもたちの支援を具体的に行う、ということです。今回、昨年の弊社の売り上げの一部と、友人の寄付、中村と私の個人的寄付で10万円ほどが準備できました。

「今年は陽水のコンサートは我慢します」という中村に賛同。ほんと、中村は男気があるんですよ。(笑)

 ミニタイガープロジェクト副代表の榎本が現地で調査を続けていましたが、震災から1年4ヶ月がたち、現地でのニーズも変わってきています。正直(そっとしておいてほしい)という雰囲気を感じることもあるようです。
 当初は保育園や児童館への支援を、と 考えていたのですが、だいぶ支援が回り落ち着いて来ているようで、どうすべきか悩む中、宮古市社会福祉協議会から、赤ちゃんから高齢者まで様々な方に見守りの活動をしている施設
「ふれあいステーション・あい」さんをご紹介頂きました。

 昭和の時代の雰囲気が色濃く残る「ふれあいステーション・あい」。

「古民家の内部を多少改装しているこの建物は、飴色の長い廊下や昔ながらの天井の梁や鄙びた扉が素敵で、伺った時は一室に高齢者の方達が集まって、本を読んだり、編み物をしたり・・ゆっくりゆっくり時間が流れているような場所でした。」 (榎本 談)

 

 被災したたくさんの子どもさん達のサポートも行なっていらっしゃいます。「子どもから高齢者まで皆が集まった時に使えるよう、 キーボードがあったらいいね〜」ということでしたので、そのように手配させて頂きました。

 また榎本がお伺いしてお話を聴くうちに、遠慮がちに「おもえ小規模多機能支援センター」で使う、 カラオケ用のマイクを支援していただけないだろうか?というご依頼を頂きました。この「おもえ」という地域は宮古湾を囲む重茂半島内にある集落で、センター自体は高台にあって被災していないのですが、住民は被災していない人の方が珍しい…という所です。高齢者の娯楽施設というものも他になく、センターが憩いの場になっているようなのです。今までは、おもちゃのマイクを使っていらしたとのことでした。

 東北の方々はとても遠慮深いので、そのようなお申し出はありがたいのです。小さなお子さんと集う機会に使うことも多いようなので、デュエットができるよう、850曲が内蔵されている物を2本、準備するようにしました。

 支援にカラオケマイクやキーボード?と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょうが、ある程度時間がたった今、小さな楽しみを持ちいっぱい笑うことが「生きる力」を涵養するのです。交流分析で学んだことが、活きていると実感します。

 ところがそんな中、今月九州北部で豪雨災害が起きました。24万人が避難勧告を受け、「経験したことがないような大雨」が降り続くニュースを見て、榎本も私も心を痛めていました。榎本からある日、メールが届きました。

 「今回の震災を経験し、『政治』というものが動き出す速度がどれだけ鈍いか、まざまざと思い知らされました。
それに比べ、個人対個人の支援がいかに迅速で頼りになるものか、それがどれだけ沢山の人の心を支えて来たかを、間近で見て来ました。だからこそ、
残っているお金は 九州、四国の被災した方々のために是非ともお役立ていただきたいと思うのです。」という榎本の提案を受け、 そうしよう、と意見が一致しました。

 たまたま宮古市の若者が中心となって復興をリードしていく生活復興支援センターが、「九州北部豪雨災害支援プロジェクト」を行うことを知りました。「九州北部豪雨災害に支援を返したい」、とボランティアが行く為の支援金の寄付を募っていたので、「宮古災害復興支援活動チームM.A.D」という組織に3万円寄付させて頂くことにしました。7月31日までに目標額30万円を集めるとのこと。被災なさった方々だからこそできる支援を期待しています。

 そちらの事務局の方とお話させて頂く中で、被災地で仮設住宅建設の為、子どもたちの遊び場や公園がなくなってしまった事実を知りました。そんな子どもたちの為に「出張子どもパーク」という活動をなさっていることも。こちらは本来のミニタイガープロジェクトの活動に近いと思い、そちらにも寄付を2万円させて頂くことにしました。

 こうしてミニタイガープロジェクトとしての活動は、一区切り付きました。今までご支援くださったみなさま、本当にありがとうございました。今までの活動のまとめをご報告いたします。

 @ 田老第一小学校と田老第一中学校の生徒合計350人に 赤、青のボールペンを計700本 、 
  「がんばろう たろう」のステッカーとバッジも寄贈。(コラム第440回)

 A 田老第一中学校の野球部の皆さんに 野球ボールと野球用のソックスを寄贈。(コラム第441回)

 B宮古市立鍬ケ崎小学校に プール用のバッグ(128枚)とバスタオル(92枚)を寄贈。(コラム第442回)

 C岩手県立宮古工業高校 野球部と、岩手県立宮古商業高校 野球部にボールを寄贈。(コラム第446回)

 D宮古保育園に、マーチングバンド用アンプを寄贈。(コラム第471回)

 Eふれあいステーション・あいに、キーボードを寄贈予定。

 Fおもえ小規模多機能支援センターに、カラオケマイクを2本寄贈予定。

 G「九州北部豪雨災害支援プロジェクト」、宮古災害復興支援活動チームM.A.Dに3万円寄付。

 H出張子どもパークに2万円寄付。

              合計金額 660,209 

 ささやかな支援ですが継続できたのは、ひとえに現地で活動してくれた、副代表の榎本の尽力です。震災までは他人だった彼女と、心を通わす機会を頂き一緒に活動をすることができて、本当に良かったと思います。

 榎本さん、改めて本当にありがとう。

 最後に、榎本からのご挨拶を皆さまにお届けして、記念すべき500回目のコラムを締めたいと思います。

  当り前の日常が一瞬にして奪われたあの震災の日から 1年4ヶ月が過ぎました。 昨年の今頃は…と振り返ってみますと、 道路開設、がれき撤去、遺体捜索、炊き出しなどに 力を尽くしてくれた自衛隊が宮古市から撤収、 また、市内の至る所に仮設住宅の建設が相次ぎ、 ようやく入居が始まったばかりで、まだまだ混乱治まらぬ 状態だったように記憶しております。

そして現在。津波の爪痕が今尚痛々しく残る地域が穏やかな景色を取り戻すことや、被災した方々が仮設住宅を出られるようになるまでは、まだ長い時間がかかりそうで、「復興」までの道のりは遠いと言わざるを得ません。

しかしそんな中でも、日本中、世界中からの支援に応えよう、前を向いて一歩一歩進もうという「気」が、街にも、人々の表情にも溢れているのを感じられるようになりました。
(昨日)21日は、宮古を代表する景勝地、浄土ヶ浜の海開きが2年ぶりに行なわれました。また、この夏は、様々な観光イベントやお祭りなども相次いで催され、活気ある日常が少しずつ戻り始めています。

震災からの日々、子どもたちの明るく前向きな姿は、いつも私達大人に勇気をくれました。宮古の子ども達に笑顔を、と思いを一つにご支援くださった皆様、本当にありがとうございます。

たくさんのご協力のおかげで、公の支援がまだ十分ではなかった頃から、複数の学校や保育園など各支援先のニーズに沿った様々な支援、手から手への支援を継続して行なうことができました。

また、私自身、このミニタイガープロジェクトの活動を通じて、よりたくさんの笑顔に触れる機会を与えられたことに、言葉では言い尽くせない程、心から感謝しております。皆様に支えられて、私達は復興に向かって元気に歩き出しています。どうかこれからも、宮古を、東北を、温かく見守ってくださいますようお願いたします。

最後になりますが、常に多忙な中でも、現地からの私の声に親身に耳を傾け、励まし、強力なバックアップをしてくれた筒井代表へも、この場をお借りして心からのありがとうを送らせていただきます。

皆様の毎日が、どうか平穏でありますようにと心からお祈り申し上げ、私からの感謝のことばといたします。

                        ミニタイガープロジェクト副代表 榎本倫子

 

 
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