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第630回●2015年1月31日(土)

 「ホワイト企業」が与える希望

 近年、「ブラック企業」という言葉をよく聞くようになりました。「経営学」で合理的に売り上げや利益を追求するあまり、社員に過酷な労働を強いたり、パワハラ、給料や残業代の未払いなど、社員の幸せをかえりみない経営をしている企業を指します。

  しかし、それとは対極の「ホワイト企業」もまた少なくありません。社員の幸せと働きがい、社会への貢献を大切にしている企業、「人間性の追求」の力学が働いている企業です。

 不思議なことに社員を犠牲にしているブラック企業よりもホワイト企業の方が、一般的に利益は上がっているそうです。おそらく合理的に利益を追求するよりも、社員の人間性や「やる気」を尊重するほうが、企業の業績や成長に貢献するということでしょう。

 そんなホワイト企業が社会にどんどん増えてほしいという願いから、フローインスティテュートという団体が「ホワイト企業大賞」を創設し、1月17日、第1回の大賞受賞企業が選ばれました。「ネッツトヨタ南国」(高知)と「未来工業」(岐阜)の2社です。

 未来工業は電設資材メーカーで、営業のノルマ禁止、残業なし、従業員はすべて正社員、高給与、「いちいち上司のお伺いを立てていると、自由な発想も自主性もなくなる」ということで上司へのホウレンソウ禁止、年間休暇は140日、育休3年…という、まさにホワイト過ぎる企業と言えます。

 かたや、ネッツ南国。先日たまたまお目にかかる機会があり、取締役相談役の横田英毅さんに伺うと、

「別にこの賞がほしくてエントリーしたわけじゃないんですよ。それにうちはそんなにホワイトとは思えないんだけど。(笑)決してブラック企業の裏返しではないんですよ。

 給与は安い、残業多い、仕事はしんどい、年間休暇も90日。なのにホワイトだと言う。
社員の幸せを考え、社員が活き活きと働いている、社会に良い影響を与えている会社ということだそうで…。
まあ、物議をかもした方が面白いかと。」
こうおっしゃるところがいかにも横田さんらしいと感じました。

 確かにブラック企業でいやいや働いている人と、ホワイト企業で、喜びにあふれて働く人とでは、生産性ははるかに違うでしょう。特に、創造性の発揮が要求されるような業種では致命的な差になります。思い返せばネッツ南国さんはいつ伺っても、社員さんの「本物の笑顔」がとても印象的な、高知が誇れる企業です。

 何よりも、経営者にとっては利益追求への誘惑は大きいものです。だから経営者自身の人間性が高くないと、
それを優先してしまう。「ブラック企業にならない最後の砦は、経営者の人間性なのだ」ということに、
今回の「ホワイト企業大賞」では深く感じ入りました。

 ところが、「ホワイト企業大賞受賞」はネッツ南国のホームページには載せていないそうなんです。
「えーっ、もったいない!じゃあ私、書かせて頂いてもよろしいですか?」
ということで今回、発信させて頂いた次第です。(笑)

 
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