「療育手帳って何?」 そう聞く長女に説明した。
「療育手帳っていうのはつまり、知的障害があります、っていう証明書かな」
「私は、知的障害はないろう?」
ええーっ、そう言いきるか〜?
「おいおい、あんた計算できんやか」
「計算できんかったら、知的障害なが?」
うっ、鋭いとこを突くなあ。そりゃあそうだけど…。
「うーん、…だって、漢字も読めんやろ?」と言うと、さすがに黙った。
そうかあ。長女は養護学校ではコミュニケーションが取れるし、自分ではただの身体障害で、知的障害があるとは思っていなかったんだ。ショックだったかなあ。
親にとっては、あまりにも根本的な問題で、改めて「あなたには知的障害もあるからね」なんて、言わないもんなあ。
恐る恐る、「どう思った?」と聞くと
「自分に知的障害があるとは夢にも思わんかったき、悲しかった」
うわー、やっぱそうよねえ!まずかったかなあ…。
「…けんど、療育手帳が もらえるき、うれしい」(^o^)
「はあ!?何だってえ〜!?」
喜ぶようなもんかぁ、それは!?
つまりその程度の悲しみ方なのね、とほっと安心?しました…。
この顛末について、昨年の担任の先生にメールで「こんなことがありました」と報告したら、こうお返事をいただきました。
「療育手帳のお話、楽しくそして感心して読ませてもらいました。
子どもへ『知的障害』を語るとき(教員もそうですが)、ともすると気を使ったり遠まわしな表現になったりします。でも筒井家は、明るくリアルに率直に会話している姿が伝わってきて、さすが〜!と感服しました。
」
そ、そんないいもんじゃありませんが…。(;^_^A
でも、ベテランの先生にそう言っていただけて、ホッとしました。
長女は、その後も全く屈託なく日々を送っています。
だって、どう障害名、病名がついたって、あなたの本質は全く変わらないんだものね!
ニコニコして、ケーキを頬ばる長女を見ていると、母としてはつくづくこう思うのでした。
(あ〜、物事に頓着しないB型家族で良かったぁ…)
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