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WEEKLY “N”|T医師のひとりごと|すずかの気ままにDO!
 
第12回●2004年1月

「在宅診療について」

 

 新年になりましたがなかなか原稿ができず、代表に叱られながら書いています。
1月も半ばを過ぎてから急に寒くなり、インフルエンザの患者様も来られるようになりました。寒さで、血圧が上がったり、かぜをひく方もみられます。私は、在宅診療も担当しているのですが、この寒さのために体調を崩される方もみられるようになりました。

聴診器
 
 在宅診療にかかわったのは、学生実習で保健師(以前は保健婦)さんや大学の先輩に指導してもらったことが始まりでした。
学生時代は、大学周辺の方を訪問しては、血圧を測らせてもらったこともありました。今思うと、質問にもあまりこたえられなかった学生時代の私に、地域の方はおおらかな気持ちでよくつきあってくれたものだと、感謝しております。

医師になって、僻地で勤務するようになってからは、離島・海岸部・山間部とあちこちで在宅診療に従事し、脳卒中の後遺症の方や悪性腫瘍の方、100歳近い方などいろんな方を担当しました。ほとんど、点滴などの治療はせず、話し相手になっただけのこともありました。(在宅酸素療法なども今ほどは広がっていませんでしたし、在宅でがんの方の痛みに使える麻薬の種類も今ほどはありませんでした。)もっと何か良い方法はないだろうかと自問自答しながらの診療でした。僻地なので、道に迷っても人家がほとんんどなく困ったことや、狭い道で運転に難渋したこともありました。
 
  その後、勤務した重症心身障害児施設でも地域を回り、子どもの時から重い障害 を持っている方達を訪問しました。気管切開や経管栄養(鼻腔栄養・・・口から食事ができないため鼻から胃に管を入れて栄養剤を注入する、胃瘻<いろう>・・・直接胃に管を入れて栄養剤を注入する)を行っている方や、呼吸障害があり頻繁に痰をチューブを使って吸引している方もいました。

  一方では、知的障害・身体障害が特に重かったり、僻地で暮らしていて周辺に通うことのできる施設がなかったりして、在宅でほとんどベッド(布団)の上で過ごしている方もいました。また、学齢期で重い障害を持ち、本来は痰の吸引や経管栄養が必要な場合でも、学校では医療行為にあたるので制度上できないということで、苦労して通学しているいる子どもいました。(他の都府県では、学校内でこれらの処置の可能なところもあります。高知県は、悲しいことに消極的です。)
 
 現在、在宅医療は酸素療法、人工呼吸器や栄養療法(胃瘻、静脈栄養)、在宅での緩和ケア(がん患者様の在宅ケア)など様々なことが可能になっています。私が障害児・者施設に勤務している間に、在宅医療は進歩し、介護保険も開始されていました。
 
  その流れに少しでも追いつけるように、患者様やご家族、また医療・福祉スタッフに勉強させてもらいながら、診療を続けているところです。


 
 

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