職場でも我が家でも、災害時の対策についての話題が出ます。地震の際には、津波が想定されるので、避難方法について頭を悩ませています。我が家では、障害のある長女をどう守り、避難させるかが大問題です。
先日、すずめ福祉会は「元祖 がらくた市」を開催しバザーや模擬店、ゲームなどを行いました。青年会議所やボランティアの中学生の参加もあり、無事終了しました。ご協力、本当にありがとうございました。新施設建設に向かって、これからもがんばって行きたいと思います。
数日前、日経新聞や朝日新聞などに「養護教員による医療行為が一部認められた」という記事が載っていました。今まで痰(たん)の吸引などの医療行為は、医師や患者さんの家族にしか認められていませんでした。(本来は、医療行為を行うにあたっては、医師・医療従事者としての資格が必要です。しかし「家族」の場合は、特別な関係ににあたるとして認められています。)、患者さんの生活を考えると、「家族」だけでは、負担があまりにも大きく生活の範囲を広げることも困難になります。そこで、例外として筋萎縮(きんいしゅく)性側索硬化症(ALS)という神経難病の場合には、ホームヘルパーによる痰の吸引が認められていました。今回の厚生労働省の決定は、それに次ぐものです。
私は、障害のある長女が12年前養護学校に入学したのを機会に、一時期重症心身障害児施設に勤務し、養護学校の校医の仕事にたずさわっていました。そこでは、障害が重く、食事や呼吸に関しても、大変な努力を必要とする子ども達がいました。(うまく食べ物を飲み込めず、食べ物が気管に入ってしまう。痰がうまく出せないために、いつも痰がからみつらそうな表情で呼吸をしている。など)その子達が通学する場合には、養護学校では経管栄養(鼻などに通した管から栄養剤を注入する)や痰の吸引は認められていないので、食事の時には本人も介助する先生方も多大な労力を必要としていました。
また、日常的に痰の吸引や経管栄養の必要な場合は、訪問教育しか選ぶことができず、通学はあきらめざるをえない状況でした。この頃、東京都などの先進的な都府県では、行政の判断で養護学校の先生方によるたんの吸引や経管栄養がすでに行われていました。そのことを知った私は、重度の子どもたちが学校生活を安全・快適にすごすために、高知県でもそのうち可能になるだろうと思っていました。しかし行政(特に教育関係)のハードルは高く、なかなか実現しない状況でした。保護者の要望や行政のご理解で、4-5年前から長女の通う養護学校や少し遅れてその分校には、看護師が配置されるようになりました。しかし、先生方による痰の吸引などがは行われるところまでは進みませんでした。
そのような経過から、今回の決定はうれしいことではありますが、やっと決まったかという気持ちです。たんの吸引、経管栄養、導尿(管を使って排尿を助ける)という3点が認められました。実際に現場の先生が行うとなると、保護者や主治医の同意、看護師など医療従事者の常駐・指導、先生方の研修といくとかの条件が必要です。今回の決定で、すぐに何もかもうまくいくわけではありませんが、障害の重い子ども達のことを中心に考えて、医療と教育が力を合わせて、高知県でも良い制度を作って欲しいと願っています。(もうすでに取り組んでいてくれていると信じています。)
これから、厚生労働省ではALS以外の在宅患者さんのヘルパーによる痰の吸引について検討していくようです。私が訪問診療している方の中にも、脳卒中後遺症や神経難病で痰の吸引を必要とする方がいます。また、障害の重い子ども達も学校を卒業して、デイサービスを利用したりするようにもなります。安全に十分配慮することはもちろんのことですが、重度の障害があっても生活の範囲を広げ、快適にすごすために、良い結果がでるのを期待しています。
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