例年なら、職場ではインフルエンザが話題になっています。しかし、今年はテレビや新聞にも頻繁に登場しているノロウィルスが原因と思われる感染性胃腸炎が流行しており、外来でも時々患者様にお目にかかっています。
すずめ福祉会は、作業所ができてから今年11月で30周年を迎えます。先日、身内の30周年記念パーティがあり、私も家族で参加しました。今年は、記念祝賀会や記念誌発行、薫製品の販売、コンサートなど少し行事が多そうです。微々たる歩みですが、障害の程度や年齢にかかわらず地域で働き生きていくという発足当時からの目標に向かって、力を合わせて行きたいと思います。余暇の過ごし方や、地域で暮らすための収入を得ること、加齢と健康など、新たな課題も出てきているこの頃です。
ところで今月に入って、花粉症の患者様が来院されるようになりました。今年は例年に比べてスギの花粉が多く飛ぶため、症状が少し重くなるのではないかと言われています。
花粉症とは、スギやヒノキなどの花粉が原因となる、鼻や目のアレルギーです。症状は、繰り返すくしゃみ、鼻水、はなづまり(鼻炎)、目のかゆみ、涙(結膜炎)などで、他にも疲れやすい、集中力がでない、などの症状が出る場合もあります。アレルギー反応とは、異物が体の中に入るのを防ぐ、体の中の防御反応です。
アレルギー性鼻炎は、一年中症状のある場合とスギ花粉が原因の花粉症のように季節により症状の出る場合があります。アレルギー性鼻炎の患者様の割合は、調査を行った地域や調査年、年齢などによっても違いますが、人口の約10〜15%と考えられています。医療機関を受診された場合は、まず今までの経過をお聴きし、診察、次に皮膚テストや血液検査などで原因を検査します。
原因がスギ花粉の場合、日常生活で注意することは、花粉の多く飛ぶ日中は外出を控える、窓を閉めておく、外出の際はマスク・メガネを着用する、帰宅したら衣服に付着した花粉をよく払う、洗眼・うがいをし鼻をかむなどです。花粉は一般に、気温が高く、乾燥し、天気が良い日、風の強い日、雨上がりの翌日などに多く飛びます。また、各地域で花粉情報が出されていますので、それを参考にするのも一つの方法です。部屋の掃除や規則正しい生活、アルコールやたばこを控えることも必要です。
薬物治療としては、さまざまな内服薬(抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬など)や点鼻・点眼薬(抗アレルギー薬、ステロイド薬など)があります。抗ヒスタミン薬は速く効き、くしゃみ、はなみずに効果がありますが、眠気、口渇などの副作用があります。抗アレルギー薬はややゆっくりと効果が出ます。くしゃみ、はなみずに加えてはなづまりにも効果があり、副作用は比較的少なくなっています。
他にも漢方薬や免疫療法、手術などがありますが、主な治療は内服薬と点鼻・点眼薬の組み合わせです。花粉が飛ぶ前から抗アレルギー薬を内服したり、点眼・点鼻することで、花粉症状を軽くすることができます。スギ花粉は、高知県では1月から飛び始め、2月中旬に増え4月下旬から5月上旬まで続きます。
例年症状の出る方は、早めの治療をおすすめします。
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