第1037回 「『追手前伝説』の2022年」

12月24日

高知市は、思いがけないホワイトクリスマス・イブになりました。もうあと1週間でこの2022年ともお別れだなあと思うと、名残惜しい気がします。

今年は、本当に『追手前伝説』と共に歩んだ、忘れられない一年でした。
3月から原稿を書き始め、写真をまとめ再撮影し続け、5月に原稿を仕上げ、7月から校正に次ぐ校正。結局、研修の繁忙期の10月までかかりました。11月、やっと本が完成し、追手前高校にも寄贈させて頂き、11月18日の校友会の懇親会でお披露目させて頂きました。ここまでのイメージは、なんとなくありました。

また奇跡的な偶然で、出版と追手前高校が国の登録有形文化財にと答申されたことが重なり、校友(卒業生)や関係者の方々に 大変喜んで頂けました。私は自費出版のため昔ながらの手売りのイメージだったので、本屋さんに置いて頂けた♪というだけで嬉しかったものです。中には25冊も平積みで置いて下さっているお店もあり、えっ、こんなに!?売れなかったらどうしよう…と心配していました。

11月末には地元の本屋 金高堂さんのランキングで、なんと1位を頂けました。amazon の部門別新着ランキングでも1位を頂き、信じられない思いで一杯でした。その頃、本はまだamazonでは予約できるだけだったのに、なんで?

つまり『追手前伝説』というタイトルだけで中身もわからないのに、予約購入して下さった方がたくさんいらっしゃったということです。おそらく校友の方々が口コミで「追手前の本が出るらしい」「買ってみよう!」とご厚情を寄せてくださったのでしょう。その期待値に応えられるのだろうか?と、不安もありました。

12月3日には高知新聞が『追手前伝説』を記事で取り上げて下さいました。とても丁寧に取材して下さった、ありがたい記事でした。

それをきっかけに、あっという間に本の在庫がなくなりました。さすが高知新聞、恐るべし!(笑)もう、現実に頭が追いつけない状態に(何が起きてるんだろう…)と呆然とするばかりでした。

その頃、在庫がなくなったため「欲しいのに、手に入らん」というお声や、本屋さんの「僕らも困っちゅう」というお声が届くようになりました。お世話になっている本屋さんにご迷惑をおかけするのは本当に申し訳なく、重い腰を上げて増刷することを決めました。

私の場合 自費出版なので、増刷には改めて資金が必要になります。そして、その回収は極めて困難です。それでも、覚悟をしました。これだけ多くの方々が求めて下さることは、もう人生でないだろう。それならば全力で、それに応えてみよう、と。もともと、追手前の校舎を赤字を承知の上で作られた 間組の小谷社長の気概に憧れたことが出発点ですので、この顛末は似合っているのかもしれません。何よりも、それだけ多くの方々が『追手前伝説』を求めて下さったのですから、ありがたいことです。

第2刷はおそらく来週、26日頃には出来上がるのではと思います。第2刷は表紙の帯に「国の登録有形文化財 答申」というメダルのイラストがついていますので、すぐわかります。またご縁がございましたら、お手にとってやって頂ければ幸いです。

ということで、今年も本当にお世話になり、ありがとうございました。
来週はお休みを頂き、また新年に再開させて頂きます。
皆さま、どうぞよいお年をお迎え下さいませ。