第1043回 「節約はゲーム感覚で」
2月11日 中村 覚
ちょっと前に新聞に「湯たんぽ 重ね着 追い焚き」という文字がデカデカと載りました。電気代の値上がりにあたり街の声を拾った記事です。少しでも節約をということで、寝る時には暖房や電気毛布ではなく湯たんぽに。寒い日中も重ね着をして、少しでもエアコンの助けに。お風呂は家族で同じ時間帯に入るようにして、追い焚きはなるべくしないように。
直接生活に影響するので、少しでも知恵を絞る。工夫を楽しさに変えればゲーム感覚にならないでしょうか。節約や質素倹約(死語?)という響きでは心が
なかなか弾みませんが、「ゲーム感覚で高いパフォーマンスを目指す」
最小の労力で最大の効果を!(笑)
~と言っても、それぞれの家庭や個人の事情は様々ですから、一概には言えません。そして何よりも「消費は美徳だ」みたいな風潮に最初からどっぷりと浸かっている世代の私が節約云々と言うのも、おかしな話ですが。
でも、これまでの生活の中で(電気代が値上がりする前から)、見聞きした消費電力を押さえるコツということになれば、多少ではありますが~
・待機電力をカットするため不要なコンセントは抜く。(スイッチで切る)
・冷蔵庫は冷気の循環を良くするため、物は詰め込まない。逆に
冷凍庫は物同士が互いに冷やし合い保冷剤の役割になるので詰め込む。
・携帯電話の画面の明るさ同様、テレビ画面の明るさ調整も消費電力に影響。
などなど。
ところで電気代だけではなく、物価も上昇中です。物を新しく買う時、
捨てる時には今一度、しっかり吟味して。というお決まりのセリフになって
しまうのですが、でも これ自然な流れです。
ところが、世代間で物に対する意識は大きく違うように思います。40代の私などは「無い物は買う」という感覚ですが、上の世代になると「無い物は作る」
「代替品を探す」こういった感覚がしっかり根付いているのではないかと…。
私の父は昭和11年生まれでした。私が中学生の時です。「当時、飼っていた犬の首輪を指して、これはお父さんの帯革(おびかわ)や」と。帯革はベルトのことです。父は自分の使い古したベルトを短く切って、犬の首輪にしていました。柴犬に茶色いベルトはよく似合っていたので、言われるまで全く気が付きません。(笑)色も褪せ、ちょっとくたびれた皮のベルトも犬の首輪としては充分です。もうひと働きしてもらいましょう(笑)
そして、これも同じ頃の話です。ある日「お前にもらってきた」と汚い錆びた小ぶりのナタを出してきました。父にすれば日曜大工的なことをする時にナタもあった方が良いだろうと。ただし、子供は扱いも下手、管理も雑。それは既にわかっているので、そんなわが子に新品はもったいない!これで丁度や(笑)
まず砥石で刃物らしくなるまで磨いてくれました。茶色かった刃の部分もそこそこ鉄の色に。子供が使う分ですから、ピカピカに磨いてスッパスッパ切れるようにする必要はありません。これで完了。
ところが、このナタにはサック(入れ物)がありません。ナタ自体もらってきた物ですから、サックだけ買っても安上り。でも店には行きませんでした。
家にあったかまぼこの板を2枚合わせて、ナタが入るように片方の端に割り箸状の木を沿え、それをボンドで接着。あとは板の両端をビニールテープで
ぐるぐる巻いて、出来上がり。
あれからざっと30年。板に巻いているビニールテープは、私がこれまで
2,3度巻き替えましたが、ちゃんと使えています。
今、思えば 「かまぼこ板のポテンシャルは高かった。」(笑)