第1047回 「『追手前伝説』トークイベント&サイン会」
3月19日 中村 覚
3月18日土曜日、代表の筒井が出版した『追手前伝説』のトークイベントとサイン会をTSUTAYA中万々店さんが開催して下さいました。
ありがたいことに昨年11月の出版以来 本は多くの方々に喜んで頂け、また今回のイベントに関しては、お客さんお一人 お一人がわざわざ時間を作って足を運んで下さるわけなので、私としても感謝で一杯です。
当日、私自身も一参加者として、どんな話が出るのか楽しみにしていました。参加券をお持ちになった方々が次々とお集まりになる中、こんなショットを。
右側の男性は神奈川県にお住いの八重田さん。「これは、本にするべき!」という八重田さんの言葉から『追手前伝説』は始まりました。この日はイベントのためにわざわざ来高してくれました。
会場には、人生の大先輩であるご年配の方から現役の追手前高校の生徒さんまで幅広くお集まり頂きました。
今回のイベントの柱となる内容は、写真撮影の裏話や本の中で使用されている白黒写真の意図、そして新しくわかった追手前の事実、校舎が登録文化財になったことなど、約1時間にわたりスライドショーを交えて行われました。
私が印象に残ったのは、本の最初の方に掲載されている玄関の写真の話です。物語としても「はじまり はじまり~」という導入部分でもあり、読み手も
テンポよく次のページへと急ぎたくなる箇所かと思いますが…。
実はこの玄関の写真を取るのに3年もかかったそうです。なぜでしょうか?
撮影のため伺う度に、総体ののぼりなどが多数立っていたからということでした。
しかしながら、こういったものはきれいな大理石を活かした写真を撮る観点からするとちょっとゴメンナサィ…。結果的に3年待ったと。うぅ~ん、唸ります。(笑)
この話を聞いた時に思ったのが、映画等でワンカットを撮るためだけに太陽を数時間も待つという製作側の事情です。見る側からすると一瞬ですが。(笑)
次に「なるほど!」と思ったのは白黒写真についての話です。本の中で唯一、82ページだけ白黒写真が使われています。「なぜこのページだけ白黒なのでしょうか?」と筒井がお客さんに呼びかけます。
すると「(壁などの)塗装が剥げていたから」「間違って白黒フィルムで撮影してしまった」などユニークな意見が出ます。(笑)
実はこの写真、青いバケツなどがあり過ぎて見て欲しいアーチに目がいかない!古めかしいアーチよりも蛍光色のバケツの色が勝っちゃう。だったら、白黒で。表現するための苦肉の策といいますか。「あるものをあるがままに」という直球だけでは表現しきれない。ものを創るとはそういうことなのかもしれません。
そして3月9日(サンキューの日)には追手前高校に伺い、本の売り上げの一部を校友会に寄付してきたとの報告もありました。
~と他にも色々とあるのですが、長くなりすぎるので~。(笑)
最後に、これはサイン会の時の様子です。
相手の方のお名前をお聞きして、間違わないように!当然と言えば当然ですが、「失敗は許されない!」となると誰しも緊張するものです。(笑)
ところがTSUTAYAさんが予め予約券に個人名を記入する欄を設けてくださっていましたので、手元に“お手本”があるのも同然。これは助かります。もし口頭でお名前をお聞きするとなると、漢字を頭の中で思い浮かべながら~、となると益々緊張も高まるのではないかと。(笑)
司会を始め、サイン会でのサポートまでしてくださったのが、スタッフの鎌倉さんです。相手のお名前とサインを書き終えたページにサッと白い紙を挟んで、お渡しする。細やかな気遣いですが、こうして頂けると筆ペンのインクが他のページに滲むのを防ぐことができるので、ありがたかったそうです。私などサイン会と聞いてもこういったことは何にも思い付きませんでした。
本をご購入してくださった方々、製作にあたり貴重な写真を提供してくださった方々。今回、会場にわざわざお越しくださった方々。そして今回の企画を開催してくださったTSUTAYA中万々店様、本当にありがとうございました。