第656回 「土佐のカエル 2015」

8月1日                         (中村 覚)

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サギ、カラスにアライグマ! 狙われているのはカエル。卵やオタマジャクシの時にはカワセミやイモリに狙われ、カエルになれば、ほ乳類や鳥類、そしてヘビなどのハ虫類にも狙われます。 ご覧の通り、カエルは色々な生き物の好物です。

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ここは越知町 横倉山自然の森博物館。現在 夏休みの企画展として開催されている「土佐のカエル 2015」の展示室です。 (9月6日まで開催。)

企画展のメインは文字通りカエルですが、そのカエルを捕食する側の動物のはく製には圧倒されます。まさに主役を食っています(笑)。

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展示室には大きなパネルが並んでいて、視覚的にカエルの生態系を楽しく学べます。子供が見ているのはカエルに関するクイズです。それぞれの台にファイルされた紙ベースの質問が設置されているので、ゆっくりと見ていけます。 演出が上手ですよね。これがもし、ファイルを何枚も重ねて机の上に置いてあれば、サササァ~と見て、たいして頭にも入らずにすぐに終わります。私が子供ならそうします(笑)。

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こちらは、カエルのグッズです。ケースの中に色々な品がきれいに並べられています。 ここで再確認です。 カエルの緑は やはり映えます。

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こちらは冊子です。年代を感じさせる表紙は既に絶版物かと、あらぬ方向に(?) 想像力が働きます。

ところで、ご存知のようにカエルはオタマジャクシの時まで水中で暮らし、その後は陸上でも生活します。この両方の生活環境がないと生きていけません。代表的な場所は 田んぼ。 しかし この田んぼ、つまり生息地が近年、消失しています。原因は減反政策や農家の人手不足です。田んぼは そのまま放っておけば、数年で原っぱになってしまい カエルは卵が産めなくなります。じゃあ 田んぼがあれば 安心と思いきや そうではありません。今度は農薬や除草剤の問題です。

体毛や羽毛がないカエルは皮膚を露出しているため、こういった化学物質を体に取り込みやすいそうです。つまり 環境汚染にとても敏感な生き物の代表格。

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「両生類は環境の健全性を測る際に、優れた指標の一つ。その減少は環境破壊の時代である。」と言う 専門家の言葉にドキッとしました。やがては自分達、人間にも・・・ ってことですよね。

環境破壊によってその数や姿を消していく生き物達。しかし 最初から その姿を見たことがなければ、いまいち ピンとこないというのも正直なところです。

館内には飼育ケースに入れられた数種類の生きたカエルも展示されています。 子供がケースに近づいて まじまじと見ながら、自分の父親にも「早く見て見て!」と、興奮した大きな声で催促していました。 この光景って、実はかなり貴重ですよね!

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こういった状況ですから、ついついカエルの撮影に力が入ってしまう方も多いのか 注意書きがあり、カメラのフラッシュ禁止、ケースをたたかない、などカエルをビックリさせないための配慮をお願いしていました。カエルってデリケートなんですね。そう言えば窓口の方が「最近は(カエルも)ちょっとは撮影に慣れてきましたが・・・。」とおっしゃっていました。最初、聞いた時は半分冗談なのかと。(笑)

夏休みですから、子供たちに生き物とのふれあいを楽しんでもらえればと思います。