第1062回 「時間が生み出す ロマン?」
6月30日
2~3年分の新聞の切り抜きをため込んだファイルを整理していた時です。
ひと際年季の入った新聞が出てきました。
「くらしの中の便利な電話 電電公社」
いつの時代の話?
日付は 昭和54年8月16日。今となってはレトロな受話器の絵に惹かれて大事に?取ってあったのだと思います。他の記事よりもブッ飛んで古いのは、多分、湿気を取るためにタンスの引き出しに長らく敷きこんでいた新聞だからです。
記事の内容は、最新機種がいかに便利かを紹介しています。
「プッシュホン」や「お話し中でもつながる キャッチホン」など。でも
今となっては…(笑)。そして申し訳なさそうに?左下に小さな文字で
「 ※ 一部の地域でサービスできないところがあります。」とあり
これは、いつの時代も同じなのでしょうか。(笑)
子供の頃、家の電話はギリギリまで黒電話を使っていました。ギリギリというのは壊れる寸前という意味ではなく、時代に取り残された感が漂うまで。(笑)
小学生の頃です。友達数人が家に遊びに来た時に「あっ、まだ黒電話だぁっ!」みたいなことを誰かが言いました。すると他の子達も「うん、うん」と暗黙の内に寄ってたかって妙な雰囲気に。ヤな感じと思いましたが、そんなことではヘコタレません。(笑)
困ったのはそれから数年後、コンサートのチケットを電話で予約する際です。まずはアナウンスが流れ、「~それでは、この後、シャープボタンを押して~」と指示されるのですが、そのシャープボタンがない。黒電話にはない。
うちの電話ではコンサートの予約ができない。 古き良き時代でした。(笑)
オークションで「スケッチブック 当時」などと検索すると昭和のレトロ感 満載の品々が出てきます。「おっ!」とつい勢いで買ったのがこちらです。
「キカイダー」は私よりも上の世代の番組ですので、表紙を飾るヒーローをリアルタイムで観たことはありません。でも時代を映すこの絵のタッチが良いなと思いました。目的はこの表紙だけのつもりだったのですが、思わぬ副産物が。表紙以上に裏面が良かったのです。
今もあるコカ・コーラの宣伝ですが、文言が時代を感じさせます。
最初の「お父さま、お母さま方へ」
今時、清涼飲料水の宣伝でこんな丁寧な表現をするでしょうか。(笑)
その後の文章は商品の原材料には触れず、「透明プラスチックでビンを二重にカバーしてあります」「たとえビンが割れても、ガラスの破片が飛び散らないように工夫がしてあります」と安全性をうたう、今につながる宣伝文句です。(笑)
ところで、真ん中に500mlのコーラの絵がありますが、これを懐かしく思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。1リットルのビンだと私もおぼろげに記憶しているものの…。こんなこともあろうかとずっと飲まずに置いていました。
高校生の時、子供の頃よく通った駄菓子屋に何年ぶりかに寄った時のこと。
ほこりをかぶった状態で床にそのまま置かれていました。その頃はもちろん、
既に缶の時代。一目見て、珍しい!と思い、店の人に売ってほしいと頼むと
「もう古いものだから、飲まないようにね」と言われ、「わかってます!」
だって 見るからにヤバそうでしたから。
古い記憶なので定かではありませんが、その時、店の人はもう昔の物だからということで、お金は取らなかったようにも思います。いや、でも商品は商品。払ったような気も。たとえお金を払ったとしても今の時代では、このやり取り自体、ない話だと思います。(笑)
時間が経てば、その時は当たり前だったことに、ロマン?を感じます。