第1098回 「高知新聞 新社屋を訪ねて~後編」
3月16日
さて、高知新聞 新社屋を訪ねての後編です。8階フロアの、西側の光景です。
ゆったりとした体を包み込むような1人掛けチェアとテーブル。素敵な環境!窓からの景色の広がりと、落ち着いた空間。ここで原稿を書けば、行き詰まってもまたスイスイ書けそうです(笑)
新社屋になり、以前より広さは3分の2ほどになったそうですが、各部署バラバラで仕事をしていたのがフロア内で連携できスムーズになったとか。「以前はメディアが3階、販売が5階と分かれていたのが、今や10歩歩けばOK」。他部署とのコミュニケーションが増え 効率的になったそうです。
ちなみに、ここの窓から外を見ると…
県庁と市役所が一望できます。まさに、高知県の中枢域ですね。近年は地震対策で高台に移転する企業も少なくありませんが、高知新聞社の場合はいざという時にもこの地に踏みとどまり、報道する覚悟の表れのように感じました。(※私の勝手なイメージです)
コロナ禍の数年で痛感したのは、地元メディアがいかに重要なのかでした。日々移り変わる地元の感染状況がどうなのか全国メディアではわからず不安な中、地元メディアは常に県民に寄り添い、欲しい情報を伝えてくれました。特に新聞は状況と分析、経緯などを細やかに掘り下げる特性があります。即時性では弱いと思われがちですが、実は高知新聞LINEは夕方のTVニュースよりも早く日々の感染者数を速報し とても重宝していました。
「大丸が撤退したら困るから、買って残そう」という県民の声がありますが、高知新聞についても同じではないでしょうか。「仮に高新がなかったら?」と考えると、欲しい地元情報がTVニュースでしか得られないのは どんなに不安で不便でしょう。人口減で先行きが見通せない時代だからこそ、県民も地元メディアを見守り、育てていく姿勢が大事かと思うのです。
さて、新社屋のご紹介に戻りましょう。受付の隣に広がるロビーの壁には紙面で見たことのある写真が飾られていますが、背景をぼんやり見ていると、何か浮かび上がりませんか?
高知市の五台山から市街地を見た、パノラマ写真です。言われてみて「なるほど!」と思いました。この幅13メートルもある写真を構成しているのは…
おわかりでしょうか?新聞で使われている活字です。写真を貼り集めて一つのアートに仕上げる「フォトモザイクアート」と同じ原理ですね。文字を使うとはいかにも新聞社らしい遊び心で、「これぞ高新!」と感心しました(笑)
この他、受付前には1945年(昭和20年)からの高知新聞が検索ができるパソコンがあります。たとえば、自分が生まれた日にはどんな出来事があったのか?その日の新聞一面をラミネート加工してくれるのが…
「お誕生日ラミネート」、550円です。おじいちゃんやおばあちゃんのお誕生日に贈ると「こんな時代やったがやね」と家族みんなの話も弾み、子どもには勉強になることでしょうね(笑)
また、紙面の掲載写真を大きく焼いてもらったり、大事な記事のコピーやラミネートもできます。(料金表はこちら)ただ、記事を二次利用する場合は 高新の許可を得なければ、著作権法違反となりますのでご注意を。逆に記事や紙面、写真を印刷物や卒論、ホームページなどに使用したい場合には申請書を提出し、使用料を払えばOKなんですって。(高知新聞記事データベース利用案内)
少し趣向を凝らして紙面を金属板やアクリル板に加工した「メモリー高新」も頼むことができます。私の母の米寿のお祝いの時には、母自身の「300人育成 伝説のバスガイド」の記事を「メモリー高新」にして、プレゼントしました。私もゆくゆく、米寿でこのお祝いをしてもらいたいなあ。頑張ろうっと!(笑)