第1110回「志ある味を愉しむ~【ダ ゼロ】」

6月8日

先日は、スタッフ中村のバースデーでした。彼はスタッフというよりも、今や頼れる相棒&親友で かけがえのない存在ですが、自己表現力講座で出会ったのがちょうど20年前の2004年。

そんなこんなで、お祝い気分です。運良く佐川町の自然イタリア料理 【ダ ゼロ】も予約できました!

2019年にオープンしたこちら、以前コラムでもご紹介しましたが、今やレストランガイド「ゴ・エ・ミヨ」にも掲載され、全国放送で取り上げられるくらいの有名店に。なかなか予約も取れなくて、来店は久々です。

お酒は飲めないのですが、ノンアルコールも充実してます。無農薬生姜の自家製ジンジャーエールと、佐川町産緑茶と白葡萄ジュースでまずは乾杯!今日は愉しもうっと♪

1.完熟トマトと夏野菜の冷製スープ ガスパチョ

まず、色の対比がきれい!少し酸味のあるガスパチョに、とうもろこしの甘みがお互いを引き立てます。トマトは佐川町のトマトハウスナカムラさんのもの。浮いているマイクロトマトも可愛い(笑)

2.カンパチのカルパッチョ 小夏とコリンキー、セロリのサラダ

グリーンが鮮やか。コリンキーは生食用の黄色いカボチャです。小夏は高知特産のさわやかな柑橘で、優しい甘みがカンパチや野菜とからんで、序曲を奏でます。

3.クロホシフエダイのフリット アスパラソヴァージュとジェノヴェーゼ

クロホシフエダイは上品な白身で、揚げてあります。緑の稲穂のようなアスパラソバージュが、まるで絵のようですね。シャキシャキとした歯応えと少し粘りのある茎、ほっくりした魚のフリットとパリパリのジャガイモのフリット、食感のバランスも絶妙です。

アスパラソバージュってあまり見かけない野菜だなと思ったら、フランス産で1ヶ月くらいしか出回らないらしいです。お店のインスタに「野生のアスパラ、森のアスパラなど呼ばれるヨーロッパの森に自生する、日本の山菜の様なお野菜です」「円安で輸入食材のコストは上がるばかりですが、ヨーロッパ食材を使用する事で自分が西洋料理を生業としてる意義を感じる事ができます😊」とありました。素敵な志ですね!

4.花付きズッキーニ 真鯛とホタテのムースを詰めて

これも本当に黄色から緑へのグラデーションが美しい。花付きズッキーニは毎年、久礼の中里自然農園から取り寄せているそうです。花には、ムースが詰まっているということで…

切ってみました。ふわふわの真鯛とホタテのムースが口の中でとろけます。ソースにはズッキーニとアンチョビを使っていて優しく深みがあり、シェフの腕を感じられる一品です。

5.イカ墨を練り込んだタリオリーニ アオリイカのトマトソース

イカ墨を練り込んだ、黒い自家製パスタです。これぞプロの味。旨味のあるイカ墨と柔らかいアオリイカ、濃厚なトマトソースの共演です。

ここで、「明郷園さんの和紅茶&スパイス風味の赤葡萄ジュース」を、赤ワイン代わりに頼みます。これが大ヒット!常温なのに香り立つスパイスと甘み、スゴイわ~♪大きなグラスで、ワインのように味わいます。

6.土佐あかうしもも肉のロースト
マルサラソース 焼きピーマンのサルサヴェルデ

本日のメイン、牛肉は越知町の松田精肉店のもの。土佐あかうしの赤身の柔らかさと美味しさは約束された上に、ソースが本当に素晴らしい。あー、これが食べられて幸せ♪ ちなみにサルサヴェルデって、緑のソースっていう意味のようです。

【ダ ゼロ】さんの味の進化は驚くばかりです。また タッグを組まれている生産者さんの多さにも、目を見張りました。シェフが繋がりを大切になさっている表れだと思います。

Produttore 生產者
中里自然農園 (野菜) 中土佐町久礼
あまがえる農園 (野菜) 越知町
TAMファーム (野菜) 佐川町
トマトハウスナカムラ (フルーツトマト、米)佐川町
ファームベジコ (野菜 ハーブ) 高知市春野
土本果樹園  (りんご) 佐川町
白木果樹園 (柑橘類) 土佐市
もちおのしっぽ  (土佐ジローの卵) いの町
松田精肉店  (肉類) 越知町
猪鹿工房おおとよ (ジビエ) 大豐町
本川手箱きじ生産企業組合  (雉肉) いの町本川
九石大敷組合 (鮮魚) 須崎市
吉本乳業  (地乳) 佐川町
海工房  (天日塩) 黒潮町
大川村ふるさとむら公社  (はちきん地鶏 ) 大川村
炭玄 ( 土佐備長炭 ) 室戸市
うちのおばあちゃん&シェフ  (野菜) 自宅畑

最後が特に素敵ですね♪♪

7.マンゴーとマスカルポーネのムース

最後は、爽やかなバジルのジェラートとチーズのムース。締めは重要です!しっかりと、素材や味のバランスにも手を抜いていないのが嬉しい限りです。佐川町のポワリエ・ショコラの美しい手作りチョコレートまで添えられてて、完璧なコースを堪能させて頂きました。

シェフが進化し続けるのは、たゆまぬ努力があるからなのだと納得しました。「志ある仕事、見習いたいね」と中村と話したことでした(笑)