第711回 「近代建築ホテル 学士会館①」
8月25日
今年はNLPとLABプロファイルの勉強のため、大阪と東京に月に1回ペースで通っています。東京は神田にあるNLP-JAPANラーニング・センターという所で研修を受けているのですが、その際はすぐ近くの「学士会館」という地味なネーミングのホテルに投宿しています。実はこのホテル、昭和3年に建てられた近代建築なのです。
ホテルをネットで探していた時に偶然写真を見て、「ここ、絶対に泊まりたい!」と固く決意しました。(笑)しかし、初回の5月の時には2か月前にすでに満室で、夏にやっと念願を果たしたのです。
学士会館は、学士会会員のための倶楽部建築として建てられました。東大をはじめいわゆる旧帝国大学(東大・京大・東北大・九大・北大・阪大・名大)出身者のための会館だったのです。
沿革を拝見すると基礎工事開始予定日に関東大震災があり、2・26事件では東京警備隊司令部が置かれ、太平洋戦争では日本軍に部屋を提供し、終戦後はGHQに接収され、昭和31年に返還されたそうです。
東京大学発祥の地でもあり、今年で開館88周年だそうです。平成15年には、国の有形文化財に登録されました。きっとこの玄関前で集合写真とかを撮るんでしょうね。
さて、階段を上がり 玄関をくぐってみましょう。
クリックして大きな写真もお楽しみ下さい。
いきなり、重厚な階段が出迎えます。見事な大理石作り。その雰囲気に圧倒され、見所が多くて立ち尽くします。
天井には、立体感のある様々なモールディング(縁飾り)が。とにかく手が込んだ造りです。
松笠がモチーフになっているようです。
ドアの「引」の文字に時代を感じます。この取っ手の重厚さにも学士会館の歴史の長さを感じさせます。今も毎日、丁寧に磨かれているとか。
ドアをくぐると、階段広間と呼ばれるホールです。この右手には大時計やレストランがあり、左手に進むと廊下の奥にフロントがあります。
大きなのっぽの古時計が、その存在感をアピールしています。
近代建築の美は、細部に宿る。造りが実に細やかで美しいのです。
柱もご覧下さい。銀で留めた人造石が貼られている、十二角形なんです。
階上の宴会場へ続く赤いじゅうたん。この上には何があるのだろうと、期待でワクワクしてきます。
木の彫刻が細やかで、曲線美は優雅ですね。
まだフロントにも到達していませんが、なんて心躍るホテルでしょう!近代建築の魅力は、まるで違う時代に時間旅行してきたような独特の空気感にあると思うのですが、そんな「近代建築に泊まる」という夢が実現できたのです。
次回も引き続き、学士会館のご紹介をいたしますね。