第1150回「人生のスパンで考える」
3月15日
人生をスパン(時間的な幅)で考えると、落ち込んだ時もその時点だけに捉われず、広い視野を持つ手助けになります。私は長く生きてきてわかったのですが、「もっと若い頃に知っていたら、悩み苦しむことが少なかったのにな」と思うことがあります。
それにつながる学びで今週、追手前高校1年生が【人生の先達からの聞き書き】という探求活動の発表会を行いました。(第1145回 「人生の先達からの聞き書き」に、そのインタビューについて書いてあります)
およそ70人もの先達の方々から それぞれグループでその方の人生を伺い、それをまとめて発表するというものです。そんなに多くの方の情報を、どのように発表するのだろう?と不思議で、楽しみにして訪れました。
北体育館いっぱいに、3人グループで作成した模造紙の柱が並んでいます。ポスターセッションという形式で、私も初めて参加しました。伺った内容をポスターにまとめ、展示して発表するのです。参加者はポスターを自由に見ることができ、内容について直接質問することもできます。
1グループの持ち時間は10分間。全体をA・B・Cと3グループに分けて、多くのグループが同時発表をするのです。なるほど、これなら時間内ですべてのグループが発表できるわけですね。
インタビューされた先達の方々も、興味のある発表を見たり聞いたりして参加なさいます。
さて、私をインタビューしてくれた3人の発表です。とりとめのない人生を、3人は「奮走」という言葉でまとめてくれました。なんとこれ、造語なんだそうです!(もうこの時点で、感動)なるほど、他人の視点からはこのように見えるのですね。
憧れの追手前入学、うなぎ上りの日々、長女が脳性マヒ、「お母さん、働きや!」、東日本大震災…大きな文字でまとめたキーワードを見ると、その部分が印象的だったのだなあとわかります。3人は前半・中盤・結びに別れて発表を担当してくれましたが、寸劇が入って笑ったり、ポスターを示してポイントを提示したり、なかなかプレゼンも上手でした。
「人生には変えられるものと変えられないものがあると語る筒井さん。私達もその言葉を胸に、変えられる自分と未来に目を向け、生きていこうと感じました。」最後のまとめの言葉からも、先達の人生を通して自分自身の生き方を深めようという真摯な姿勢が伝わる素晴らしい発表でした。
他のグループの発表も色々と工夫が凝らされ、先達の方々とのやりとりも微笑ましいものでした。皆さん、ありがとうございました。
【人生のスパンで考える】視点を16歳の若い頃に学ぶと、人生でアップダウンがあるのは当然だということがわかります。すると辛いことがあったときにも(なんで自分だけが…)という過剰な被害者意識に陥らず、レジリエンス(逆境から立ち直る力)にもつながると思うのです。
どうか皆さんが、ポジティブ心理学で言う「ウェル・ビーイング」(心身共に幸せな状態)が長く続く人生が送れますように。