第1155回「西土佐の古民家ラーメン」

4月19日

「西土佐に、すごく雰囲気の良いラーメン屋さんがあるんですよ」と中村。
「西土佐?かなり遠いよね。2時間以上かかるんじゃない?」と言いつつ、行ってみることに。

旧・窪川から四万十川沿いに四万十市西土佐まで、1時間ほど走りました。西土佐の江川崎から中村方面には行ったことがなかったのですが、全長1900mの網代トンネルが2014年にできて、行きやすくなっていました。

見えてきました。いい感じの古民家で、バス停、赤いポストに緑の公衆電話、奥には神社と道具立てが揃っています(笑)なんだか、昔の映画に出て来そう。

いかにも昭和なお店の看板には、「中華そばKobi」と書かれています。
駐車場は、お店の目の前の小道を入ってすぐ…

四万十川の手前にあります。終わりかけた桜のある広場に、8台くらい駐められるでしょうか。県境から近いからか、愛媛ナンバーの車も見かけました。自然の中にある、というのが写真からもおわかり頂けるかと思います。

「営業中」との看板。営業は11時からのようです。引き戸を開けて入っていくと…

店内は、こんな感じ。障子などをはずした、小上がりの畳の座敷が広がっています。

まず、食券を買います。中華そば750円、かけ中華そば620円、釜玉そば740円…。メニューはシンプルで、替え玉もあります。価格も昭和テイストで安いのは、嬉しいことです。中太麺、細麺、つけ麺などと麺は選べます。

落ち着いた畳の雰囲気、古民家の良さですね。お店のサイトを拝見すると、2020年2月に、築70年近い古民家を改装して開店なさったそうです。まだ5年目なんですね。

店の奥から、入り口を見たところです。店主さんが一人で切り盛りなさっていました。店主さんの感じも良くて、余計な事はしゃべらないけれど温和な表情で迎えてくれていると感じられ、ゆったりと過ごせました。

この長いカウンター、いいですね。趣があります。私達もこちらで頂きましょう。

目の前に広がる自然を見ながら食べるってすごく気持ちが良く、贅沢な気分です。

来ました!中華そばの細麺。透き通ったスープで、見た目は昔ながらの中華そばですね。
あら珍しい、虎杖(イタドリ)が乗っています。

炒めた虎杖のシャキシャキした歯ごたえが、何とも言えず合います!虎杖好きな私としては、得した気分♪

お肉もスープもあっさりしているけど深みを感じる味で、罪悪感なく食べられます。具は煮卵だけは味がしっかり、チャーシューと虎杖はあっさり系。全体的にお店そのものの雰囲気と同じで、自然で飽きの来ない、わざわざここまで食べに来たくなる味です。

使う素材は出来るだけ身近にある逸品を使っているそうで、土佐清水産の宗田節、須崎産の煮干し、宇佐産の鰹節、四万十鶏、四万十豚、西土佐産の干し椎茸、季節ごとの野菜の数々…小豆島の生醤油、四万十町の山塩。すごいラインナップですね。麺は京都の「棣鄂(ていがく)」のものだそうで、どの素材も自然界の恵みと作り手の愛情や哲学が詰まった逸品だそうです。美味しいわけです!

替え玉にはちゃんとスープのエキスが添えられているので、薄まったスープの味の調整ができます。親切。替え玉は歯ごたえがしっかり楽しめ、また嬉しい。スルスル~って喉を通ります。

行きたいと思ってて、念願叶ってお店に行けて 味も美味しかったら、そこでストーリーは完結になります。もし美味しくなかったら(入らなければよかった)と思ったりしますが、ここは期待通りの味。わざわざ来た甲斐がありました!
なおいらっしゃる場合には、上の方にある店名をクリックしてホームページに飛んで、休業日をご確認くださいね。毎週火・水がお休みですが、着いたら臨時休業だと悲しすぎますので。

有名な岩間の沈下橋も、お店から200メートルとのこと。それは行かねば、と向かいます。

観光スポットとして最も人気の高い沈下橋ですが、度重なる洪水の損傷で2017年に橋の一部がV字に崩壊しました。全国からの寄付金やふるさと納税も募り、2021年に復旧したそうです。

上から見ると、120mある橋の改修工事の箇所が、横に白く残っていますね。水の力って、ものすごいんだなあと実感。

さて。帰りには工夫を凝らした道の駅「よって西土佐」で、つがに汁なんかの買い物もして帰りましょうか。

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