第714回 「近代建築ホテル 学士会館④~宴会場」
9月17日
東京・神田にある近代建築ホテル、学士会館のご案内、最終回です。
ここは文化庁の「登録有形文化財」指定を受けています。
9月は4泊する予定だったのですが、台風で飛行機が欠航するかもしれないと、大阪から東京へ直行することになりました。そのため急遽、学士会館にはもう2泊することに。
朝食後、フロントの方に宴会場を見学したい旨申し上げると、警備員さんが案内して下さいました。1階ロビーからエレベーターで2階へ上がります。
エレベーターホールの上部アーチ部分の装飾。光に浮かび上がり、気品を放ちます。
2階のロビーを抜けて…
まずは201号室へ。学士会館の中では比較的、建設当時の姿をよく残している宴会場です。
目を引くのは、何と言ってもオーケストラ用バルコニーがあること!これがあると、部屋の格が上がるんですよねぇ。手すりの装飾も手が込んでいて、見事です。
この柱にある波のような装飾は「持ち送り」と言うらしいです。石膏で作られた葉の装飾は、西洋建築ではポピュラーなものだとか。
豪華な大理石のシャンデリアが、柔らかな光を放ちます。
豪奢な当時の雰囲気が色濃く残るため、沢山の映画やテレビのロケがこの部屋で行われてきました。有名な「半沢直樹」の土下座シーンもここで撮影され、一時は見学者ルートができていたそうです。
202号室は、全くイメージが違うモダンな感じです。
こちらは210号室。柱がなんだか近未来的なイメージですね。
この日の見学は以上だったのですが、2日後の朝、守衛さんにバッタリ会い「今日、ウェディングフェアの日なので部屋がセットされてるんですが、見に行きますか?」と教えて頂き、それはラッキー!と喜んで行きました。
先日とは違う会場だったので、また楽しめました。ウェディングフェアは仏滅の土曜日に行っているそうですから、たまたまその時に泊まっていたってことはものすごくラッキーだったんですね!
320号室のドアをくぐると、「うわ~」という言葉しか出て来ませんでした。まるで絵はがきのようなクラシカルな世界です。
金のカトラリーセットは、320号室専用の食器だとか。「晩餐」という言葉がふさわしい格を感じました。
もし東京に住んでいたら、娘に学士会館での挙式を強く勧めたことでしょう。(笑)見とれてしまう、気品の会場でした。
記念写真を撮る際に使われるステンドグラスの窓も、美しい光景です。
建築88周年を迎える学士会館のように、こちらで挙式なさるカップルもきっと、縁(えにし)が長く続くことでしょうね。
というわけで、4回にわたった学士会館のご案内にお付き合い下さり、ありがとうございました。本当に素敵な近代建築に泊まれて、幸せでした。