第720回 「東京駅:工事中 前編」
10月30日
先日東京出張した際、以前から見たかった赤煉瓦の近代建築、東京駅 丸の内駅舎に行きました。ところが…、なんと言うことでしょう。
東京駅、工事中でした。(;_;) ちょうど駅前広場を整備していて、完成は2017年春のようです。せっかくの美しい建築が、下がシートで無粋に覆われていて、残念…。
でも、せっかく来たんだからと、気を取り直して見学しました。まずは改札を通らないと見られない、駅構内の南北通路へ。1914年(大正3年)に建てられた、国の重要文化財でもある東京駅の歴史やその頃の写真などが展示されていました。
下は「赤煉瓦ドーム」というプレートがついていた建物です。これも駅構内にあり、じっくりと間近で見ることができます。
東京駅は、明治時代の洋式建築家第一号の辰野金吾氏の設計です。建築100年にあたる2014年に、5年半かけて建築時の姿に復元されました。戦争の空襲で破壊された3階部分や創建当初の丸いドーム(北口・南口ドーム)↓を復元したのです。
そして、駅舎全体を免震構造にしたそうです。歴史的建造物と免震の最先端技術を融合させたわけですから、さぞかし難工事だったことでしょうね。
丸の内南口改札付近では、100年前の赤煉瓦(構造レンガ)をじっくりと観察できます。所々に穴が空いているのは、木(もく)レンガといって内装の部材を取り付けるために埋め込んだ木の跡だとか。何とも言えない味があります。
南口改札を出ると、この景色。
高~い天井、復元されたドームが、頭上に広がります。
見上げると、八角形のドームはまるで万華鏡のような美しさ。淡い黄色にキッパリとした白の彫刻が映え、創建当時の姿を楽しませてくれます。
舞い飛ぶのは白鳩かと思ったのですが、調べたらワシでした。なんと2.1mの大きさだそうです。その下には、丸いグリーンの干支のレリーフがあります。
細やかな彫刻仕上げは、実に豪華です。写真をクリックするとわかりますが、彫刻などの剥落の危険を考えてか、ドーム全体に網が張り巡らされています。写真を撮るにはちょっと残念な気もしますが、リスクマネジメントとしては当然でしょうね。
このドームは撮影する人が多いのでしょう、「ドーム内での長時間の撮影は、混雑の原因になりますのでおやめ下さい」との注意書きもありました。
(駅舎保存・復原工事を請け負った鹿島建設は、網のない とても美しい内部写真をアップしています。)
というわけで長くなりますので、続きはまた後編でご紹介しましょう。