第658回 「明治村①~帝国ホテル」
8月15日
ホームページが新しくなったら大きな写真が載せられるので、それから書こうと温めていたテーマがあります。近代建築シリーズです。
今春仕事で名古屋に行った時に、強行軍で2時間だけ明治村に行きました。
高知-名古屋の航空便は1日1便。午後2時に着き、明治村には3時過ぎに。閉館は午後5時。時間節約のためタクシーで、正門ではなく駅に近い北口から入りました。明治村はバスが走るほど広く、行きたかった建物が北に集中していたためですが、北口にはロッカーがなかったのです。お陰で効率良く見られましたが、キャリーバッグをゴロゴロ引っ張りながら見て回る羽目に…。(笑)でも高校の修学旅行以来数十年ぶりに、懐かしく建築を見られました。
少しご紹介しましょう。(写真はクリックすると大きくなります)
北口を入るとすぐ、SLの東京駅があります。この汽車はNHKの朝のドラマ「花子とアン」にも登場していましたっけ。
そして、ここに来たかった!帝国ホテルの中央玄関です。
以前は中には入れなかったので。
こちらはアメリカの建築家、フランク・ロイド・ライトが設計し、大正12年(1923年)8月に完成した石造りのホテルです。92年も前なんですよ?
しかも、9月1日の披露式の当日になんと関東大震災に見舞われましたが(!)周辺の多くの建物が倒壊する中で、ほぼ無傷だったそうです。その歴史だけで圧倒されそう。
石造りの玄関。どっしりとした風格があります。建物には、日本の大谷石を多用しています。
玄関をくぐると、左手には、フロント。すべて石造りなので、冬はさぞかし寒かったことでしょうね。
正面すぐに階段があります。天井は低く、豪華な赤いじゅうたんが鮮やかです。
低い天井の階段を抜けると…
芸術的で、伸びやかな空間が広がっています。
この飾り柱は、日本の行燈(あんどん)をイメージして作られたそうです。
ぜひ大きくして石の質感、光と影の共演をご堪能下さい。
とにかく、どこを切り取っても美しい。言葉を必要としません。
この椅子は、ライトがデザインしたものだそうです。現代にも通用する造形を見ると、本物は時を超えて存在するのだなあと感じ入りました。
時間がなくて、2階のカフェでお茶を味わえなかったことだけが心残りでした。でもこの照明の影さえ、どこか懐かしく感じます。こうした古い建物って、どうしてこうも心が落ち着くんでしょうか?不思議です。
次回も、明治村の建築をご紹介します。