第729回 「生死一如」
1月6日
新年おめでとうございます。皆さまには良い年明けをお迎えでしょうか。
今年もWEEKLY Nと、よろしくお付き合い下さいませ。
このお正月休みは、あっという間に過ぎていきました。
プライベートでは次女が大晦日に入籍しました。式は春ですし新居がすぐ近くなので まだ実感が薄いのですが、とりあえずは一安心です。
元日、姑宅を家族で訪れて夕方帰ってくると、電話が。
なんと、高校時代から仲の良かった友人が昨日亡くなったとのことで、呆然としました。病気で悪かったのは知っていましたが、職場復帰もして順調だとばかり思っていました。同じ日に入籍と永眠とは…つくづく人生を考えさせられました。
お通夜の席で見かけたお子さんはまだ高校生くらいで、胸が痛みます。友人もどれだけ心残りだったことでしょうか…。同窓会で久しぶりに会ったクラスメイトによると、昨年は同級生が5人亡くなったということでした。だんだんと、そういう年齢になってきたということですね。
ふと思い出しました。長女の養護学校の同窓生たちはとても短命なことを。7人の同級生のうち、3人が26歳までに天に帰って行きました。天寿は人によって様々なわけですが、人生は年数ではなく どう生きるのかに尽きるように思います。
では、どう生きるのか?人生ははかなく、短い。 だからこそ、今、この時をどう生きるのか? 改めて根幹の大事なことを友人から問われているようで、 未熟な私は考えております。
仏教に、「生死一如」(しょうじいちにょ)という言葉があるようです。 生と死は二つに分けて考えるものではなく、表裏一体で一つの如し。 生きることは死ぬことであり、両者に境界はないという意味です。 人間は生きれば生きるほど死に近づいていくのですから、 死を視野に入れて生を考えることこそ、大事なのだと思います。
じゃあ何をするのか?特別なことじゃなくてもいいと思うんです。
私の場合だと、心を許した友人との交流が持てたことや、新たな充実した学びが得られたことなどを胸に、笑顔で穏やかに一日を終えることでしょうか。
もちろん、心に暴風が吹き荒れる夜もまた来るでしょう。でも過去の体験を活かし、それを乗り越えていく力=レジリエンスを高めて成長していければ、眠れぬ夜さえもまた、人生の深い意味となるのでしょう。
「眠りは小さな死である」とも言われるように、そういった一日一日を重ねていくことが より善く生きることにつながり、今を大事にしていることではと思うのです。
若くして天に帰った方々に恥じないように、しっかりと生きよう。
そして 新たな旅立ちをした二人を見守れることに感謝する年明けです。