第731回 「遊び心はゆとり?」
1月20日 (中村 覚)
最近、読んだ本に書いてありました。時代は明治。70歳を過ぎたお坊さんが、ある時 英語の勉強をし始めます。お弟子さんが「今さら勉強しても、どうにもなりませんよ。」とズバリと申し上げる。「わかっておる、お前の言う通りじゃ。でも こうやって 単語を1個、2個でも覚えておけば、次に生まれてきた時 ちょっとでも楽じゃろ?」とのお返事。
和尚さんにしてみれば、本業から大きく逸れた?英語の勉強はあえてしなくてもいいものだったはずです。でもしなくてもいいものだからこそ、遊び心を交えて、「じゃぁ ちょっと やってみようか!」これこそ、ゆとりですね。
この話に感化されて購入したのがこちら。
英語の辞書です。ちょっくら単語でも調べてみよう! でも だからと言って あからさまな“勉強”ではなく、冒頭の和尚さんのように楽しく英語に接してみようと・・・。
手始めに、SF映画「スターウォーズ」のキャラクターを紹介した本を開きます。1ページにつき1人、大きな写真を交えて、人物のプロフィールや衣装、持っているアイテムなどについて詳しく書いてあります。
でもこの本、全文 英語なんです。英語版だとアマゾンで日本語版よりも安く購入できますので。それに読めなくてもキャラクター辞典ですから、「写真だけ見て 楽しんだら それでいい」と買った当初は思っていました。でも今は、見ている内に気になった単語をランダムに拾って、気の向くまま調べてみるのもいいかなと。遊び感覚を軸に、ちょっとだけお勉強です。
ところが、すぐに中止です。紙面の7割程は写真ですが、残りの余白を埋めるように活字が並び、字面に威圧されて面白くありません。ちょっと教科書っぽい感じ。それに(最初からわかっていた事ですが)書いてある内容って、実際には存在しない人物のデータなわけで、言ってしまえば 嘘八百。嘘のくせに人を威圧するとはタチが悪い。(笑) スターウォーズの本は失敗に終わりました。 出だしからつまずきましたが、所詮 遊びの範囲。気分を害することなく切り替えます。
次はこれ。
この本も英語版ですが、子供向けの絵本です。ですから1ページあたりの活字の量は簡単な単語が6~10個程度。 ほとんど絵だけでストーリーが進んで行くので、気分も軽い軽い。話の内容も最初からわかっています。(笑) この絵本は有名な「ノアの方舟」の物語だからです。表紙に書いてある「NOAH’S ARK」=「ノアの方舟」の意味だそうです。思惑通り、軽く調べちゃいました。
これはご存じの通り、旧約聖書の話です。神は世の人間の堕落を見て、洪水をおこして滅ぼすことを決めます。そして正しい人間ノアにそのことを伝え、方舟を作るように言います。ノアは言われた通り大きな方舟を作り、自分の家族と全ての動物のつがいを方舟に乗せます。そして洪水は40日間続き地上に生存するものは滅ぶ~、とこの後も話は続きますが、私はこの動物のつがいを乗せるという部分が大好きなんです。「人間より動物なのっ!」みたいな。(笑)
再読した際、気ままに調べた単語、他には「creature」=(意味)生き物、特に動物。「クリ―チャー」というのはTVゲームをやっている時に何度か聞いたことがありましたが、「つづりはこう書くのかぁ」と新発見でした。
まっ こんなことをしたからと言って、私の英語力が飛躍的に上がるわけでもないし、また それを望んでいるわけでもありません。「これ、なんの意味かなぁ?」と調べなくてもいいけど、ちょっと調べてみる、この遊び心から生まれる 「ゆとり」、捨てたもんじゃありません。読み終わってもどうせ たいしたことは書いてないんですが、でも何を書いているのか 辞書を片手に時間をかけて調べる行為が面白いかなぁ~と楽しんでます。(笑)