第734回 「横浜近代建築②」

2月11日

横浜の近代建築と言えば、山の手の異人館を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。でも私の好みは大きくて豪奢な建造物なので、限られた時間での散策に、神奈川県庁周辺の近代建築巡りをしようと思いました。

②横浜市開港記念会館

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まるでハリー・ポッターの世界のようなこの建物は、横浜市開港記念会館です。目的地の一つにはしていましたが、通りから見える見た目の美しさに引き寄せられるように入って行きました。

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こちらは横浜開港50周年を記念し市民の寄付金により大正6(1917)年に創建され、大正12(1923)年の関東大震災の時に鉄骨補強のおかげで倒壊こそしなかったものの時計塔と壁だけを残し、内部を焼失。その後昭和2(1927)年に創建時と同じ設計スタッフが計画にあたり復旧され、現在も公会堂として利用されています。なんと今年平成29年7月1日に、開館100周年を迎えるそうです!

中に入ると、右手のテーブルに館内のガイドボランティアさん達が数人いらっしゃって、ベテランの男性ガイドさんに無料案内をして頂きました。ラッキー♪ 次の時間の予定があったわけではないので、1時間くらいゆったりと説明を受け、写真も撮れたのが何より良かったです。

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「実は一階の講堂を一番見て頂きたいんですが…」とガイドさん。「基本的に貸しているので、今日も夜まで借りられているんですよ」と残念そう。「休憩時間とかがあれば、うまくいけば見られるかもしれませんが…」というお話を伺っていると、その数分の間に講堂の扉が開きました。入れ替えがあったのです。超ラッキー!!

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うわぁ、素敵!ガイドさんがかけ合って下さり、主催者の方のご厚意で見せて頂けました。ときめきの一瞬で恋に落ちた感じ♪(笑)

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後で調べると 大正7年に竣工した大阪中之島の公会堂と並ぶ、大正期の二大公会堂なのだそうです。確かに、このステージを取り巻く客席とか 豪奢さが似ています。

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ここが見られると全然値打ちが違う!と実感。実は散策の前、携帯電話が壊れて修理に行ったり無駄に時間を使って少しへこんでいたんですが、そのお陰でこの幸運とも巡り会えたという訳だったんです。感謝。毎月15日には、一般公開しているそうです。

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これは上から2枚目の外観の写真の内側です。ガラス窓の形でわかるでしょうか。

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このステンドグラスは、横浜開港当時の交通状況を題材としています。宇野沢組ステンドグラス製作所のものだとか。これも関東大震災で焼失しましたが、昭和2年に当初のものを尊重し復旧したそうです。

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中央のひし形は横浜市のマークで、「ハ」と「マ」の図案化なんだとか。

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武士から町人までが一緒に船に乗り合っているこういう図柄のスタンドグラスは他にないそうです。言われてみればそうですよね。

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ステンドグラスをくぐると、資料コーナーで、壁にはバラ窓が。

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横浜市開港記念会館のシンボルである時計塔は、「ジャックの塔」の愛称で親しまれており、高さは約36mです。神奈川県庁(キング)・横浜税関(クイーン)と共に、横浜三塔を形成しています。

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外観のポイントになっている、塔屋へ上がる螺旋階段。年に一度、開港記念日の6月2日にだけ上がれると伺いました。すごい人数が並ぶそうです。

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特別室(旧・貴賓室)。建物端のドームの下です。大正の創建当時の内装は木工技術の粋を集めた豪奢な造りだったようです。

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メダリオンと言われる、照明の根元の装飾飾り。色んな形の物があり陰影が美しく、見ていくと飽きません。

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木製の中央階段。どっしりと重厚です。

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中央階段のステンドグラス。いわゆるペリーの「黒船」が描かれています。これらは日本のステンドグラスの歴史上、非常に価値の高い作品として貴重なものとか。とても美しい色合いですが、右の方に富士山と星条旗が一緒に収まっているのが構図として面白いです。

その他 見所はまだあるのですが、ぜひ機会があればご覧下さい。
大正期のジャックは100年を過ぎてもなお健在で、人々を魅了しています。