第752回 「宿毛歴史遺産②」
6月17日
高知県の西南部、宿毛市の歴史遺産のご紹介、2回目は「浜田の泊り屋」です。
「なにそれ、旅館?」と思われるかもしれませんね。(笑)
昭和32年に国指定の重要有形民俗文化財となった、木造の建物です。
田園地帯の奥に、地区の集会所と並んでひっそりとたたずんでいます。泊り屋とはかつて地区の未婚の若者たちが泊り込み、「若衆組」として地域での青年団や警察官的な役割を務めていた場所です。
泊まり屋は 集落の行事や運営、夜間警備、祭りや地方の風俗を継承するための社交の場で、若者の活動拠点となっていました。彼らは農繁期には強力な助っ人として、重要な存在だったことでしょう。
幕末から明治にかけて、幡多地区だけでも百数十箇所の高床式の泊まり屋があったそうです。しかし若者のたまり場となり、風紀が乱れるという理由で次々に取り壊され、残っているのはこの芳奈地区の4つだけとか。
中でもこの浜田の泊り屋は、栗の自然木を四隅の柱に使った最も風格のあるものです。中は畳敷きのようですが、その様子は残念ながら伺えません。
床下には、力比べや鍛錬に使ったものでしょうか、力石と呼ばれる大きな石が今も残っています。
このハシゴを使って、上っていたのでしょうね。
郷愁を誘う建物ですが、外から眺めるしかないのが残念です。
~と思っていたら、いいものを見つけました!
宿毛市の道の駅「すくもサニーサイドパーク」敷地内に建っているのは…
浜田の泊り屋:再現版です。本物よりも、二階の高さがありますが…
宿毛市ロータリークラブの40周年記念事業として建設された、お遍路さんの茶堂です。
こちらには階段があって、安心。
中はこんな感じです。木のイスがいくつか並べられていました。
二階からの海の眺望が絶景なのに、びっくり!!
あいにく曇りの夕方だったため光の具合が良くありませんが、絵のようにきれいでした。
付近の海岸は冬場には、「ダルマ 夕日」の名所としても知られています。
宿毛の小さな歴史を感じて頂けましたでしょうか?(笑)