第766回 「メリーゴーランド」
9月23日 中村 覚
味覚が変わるように、思考も変わり
同じ物を見ても以前とは解釈が変わってきます。
ということで 突然ですが、メリーゴーランド いかがですか?
私は子供の頃、何も魅力を感じませんでした。楽しそうに見えなかったのです。
スピードはあまり出ていないし同じ所をぐるぐる回っていて、何が面白いの?
これが子供のころの感想です。
それから時間が流れ、遊園地自体に魅力を感じなくなった頃、何かの拍子で、今度は大人目線で考えました。すると実は奥の深い乗り物ではないのかと思い直したのです。
同じ所をぐるぐる回っている あの様子は、取りようによっては、堂々巡りして何かの問題から抜け出せないでいるみたいです。 でも、それでいて軽快な音楽が流れる極彩色の世界を おとぎ話に出てくる馬に乗って楽しんでいる! このアンバランスさ、ちょっと影のある面白味には、子供の時には気が付かなかったなあ~。(笑)
影などという表現は敬遠されがちですが、光があれば当然 影は付きもの。「アンパンマン」の作者、やなせたかしさんは影の存在であるキャラクターを登場させたことで、 正義の味方であるアンパンマンがより際立ったのだと、何かの本に書いてありました。そうです、バイキンマンのことです。バイキンマンあってのアンパンマンです。(笑)
日本の四季だって一年中暖かいわけではなく、寒い冬は必ず来ます。冬はいらないというわけにはいきません。人の話を聞いていても、良かったこと、上手くいったことばかり言う人の話は不自然で面白くない。快適なものばかりの寄せ集めは、どこか味気ないです。
これは以前、撮った写真です。神社の境内に動かないメリーゴーランドが置いてありました。日付は2009年とありますが、場所は もう思い出せません。 この時は神社とのミスマッチを面白く思いシャッターを切りました。 場所がわかれば、もう一度行って 今度は馬に乗った写真も撮りたいなあ。動きませんけど。
と、ここまで書いて、ふと思いました。今はネットの時代。「神社」「メリーゴーランド」で画像検索してみました。
おっ 多分これだ!幡多郡三原村にある神社のようです。
えらく簡単にわかってしまい拍子抜け。
話の流れとしては、検索しても見つからず、やっぱりもう8年前のことだからと叶わぬ思いを募らせるという展開を期待していましたが…。(苦笑)
今回はメリーゴーランドについて勝手気ままな解釈をしたものの、まだ一度も乗ったことのない人間が書くようなことか?と思います。