第777回 「昭和の横丁、思い出倉庫」
12月8日 中村 覚
愛媛県 伊予の小京都、大洲市にあるポコペン横丁の入口です。レトロ感のある町並みなどをネットで検索している時に偶然見つけました。松山に行った際にちょっと足を伸ばした次第です。
広場には昔の看板が多数あり、昔の自転車がそのまま放置、いえ展示してあります。
目を引く看板やリヤカー。
これは昔のアイスクリーム屋さんのリヤカー。ここまで古い物になると私にとっては「懐かしい」ではなく「珍しい」です。懐古趣味が基本にありますのでどっちでも楽しいです。
そして、これがポコペン広場内にある「思い出倉庫」です。
「倉庫? 何を置いてあるの?」ごもっともです。
答えはこちら。これは受付の様子です。
奥に向けて昔の物がたくさん展示されています。
看板の前に数台並ぶ自転車。先程の屋外の自転車に比べてこちらの方は状態が良さそうです。右上にある「金鳥」の看板、カッコ良いなぁ。原色がかもす雰囲気はどことなく子供のおもちゃを思わせます。
こちらは化粧品等の展示です。さすがに興味があるわけではないですが(笑)、全体的な雰囲気は「うん、わかる わかる!」昔はこんな風にして売られていたのでしょう!知らなくても全肯定。(笑)
裸電球に照らされるキャラクター物のおもちゃです。今の時代なら商品は全面ガラスのショーケースに入っていると思います。重みがあってこっちの方が良いな。
「感謝特別大奉仕」、大奉仕なんてほとんど聞かなくなりました。
棚に納められているのはボタンです。
ここは、当時の駄菓子屋をそっくりそのまま再現!といった感じでしょうか。
私が子供の頃に行った駄菓子屋はもっと現代風でした。でもこの風景を見ていると思い出します。夕方、100円持って買いに行き、買ったお菓子は全部食べます。夕食の時に「なぜ、ご飯をもっと食べないのか?」と親に詰め寄られますが、ご飯前にお菓子を買って食べたとは言えませんでした…。
中央や左下にある「ハウスカレー」の箱。
存在感、佇まい、手頃な大きさ、正直 自分の部屋に欲しいです。
お店を再現しているスペースから更に奥を覗けば~、これがホントのタイムスリップ! 昭和の家庭が…
ちゃぶ台があって、掛け時計に鉄の扇風機、鏡台など。
こうなると私よりもぐっと上の年代の方にも楽しんでもらえること請け合いだと思います。
角のタバコ屋さんの風景です。数年前、新聞に書いてありました。昔はタバコ一つ買いに行っても、店の人と多少なり世間話をして、それが生活の憩いだったと。
ロッテガムの横にあるライターはわかったのですが、下の棚にある物が何かはわかりませんでした。キセルだそうです。
「ヨコハマタイヤ」確かにこれ、ありました。奥で映っている古いテレビはDVDが映るようにしてあるそうです。
受付の方が話してくれました。ご夫婦でいらした年配のお客さんは最初ただ黙っていたのに、お店を出る頃には「昔は あ~で、こ~で」とお二人の会話がすっかり弾み、明るい雰囲気になることが少なくないそうです。
店内に置いてある年代物の品々、その佇まいが自然な感じで、こういった展示の仕方は他ではあまり見られないのではないかと思います。展示である以上、計算はされているものの、「これを見よ!」と言うよりは「当時はこんな感じよ」といったフラットな雰囲気が本当に良いなと思います。
木戸銭(入場料)が200円というのも日常の感覚を後押ししてくれます。仮に500円~1000円を払うとなると、見終った後に「結果、どうだった?」と良し悪しを無意識の内に問いかけてしまいそうで、「懐かしむ」というゆとりがなくなってしまいそうです。良心的な木戸銭も雰囲気作りに大きく貢献してくれているのだと思います。価値ある200円です。
思い出倉庫を出ると両脇にはお店が並んでいます。(写真は閉まっている様子)
これらのお店が開くのは4月~11月は毎週日曜日、12月~3月は毎月 第3日曜日とのことです。次回はこの日に合わせて昭和の賑わいを感じてみたいものです。