第782回 「決断の時。」

1月13日          中村 覚

エンジン音がいつになくうるさく、オイルの赤いマークも点灯。こうなると いくら車の構造にうとい私でも心配になり、近くのガソリンスタンドで見てもらいました。今回ばかりは人任せにしてはいけないと店員さんと一緒にボンネットの中を凝視。青い液体が四方八方に飛び散っている様を見たのは初めてでした。説明によるとこれがエンジンオイルだそうで、「エンジンオイルは青色かぁ」勉強になるな。実は勉強している場合ではなく、「即 修理が必要、しかも緊急に。」

「えぇ~、 実は2日後、どうしても室戸に行かなくてはいけません。室戸ぐらいなら、なんとか 大丈夫でしょうか?」「このままでは危ないです、絶対にやめた方がいいです。」 そんなに重症ですか? つまり病院に行ったら、「即、入院」と言われているような感じですか。

とりあえず、応急処置としてスタンドでエンジンオイルを入れてもらい、それから定期的にいつも行っている車屋さんへ向かいました。詳しく調べてもらうとどうもエンジンオイルの容器の蓋のパッキンだかバネだかが傷んでいて、ちゃんと閉まらない状態になっている、そのためにオイルが噴出しているとのことでした。1万円ちょっとかかりましたが、小1時間程で直してもらうことができ一安心。

後日、室戸にも行き これまでと同じように順調に走ってくれていました。ただ時々、エンジン部分からブクブク音がし始めました。「お湯でも沸いているのかな?」そんな音です。しかし修理してからオイルの赤いマークが点灯することもなかったので、何事も気にし過ぎは良くない!ということで、そのまま走行を重ねました。

そして5000km毎のオイル交換の時期がきたので、いつもの車屋さんへ。「中村さん、車の調子はどうですか?」「この間、修理してもらってから大丈夫です。」ブクブクお湯が沸くような音のことはすっかり慣れっこになって忘れていました。

「中村さん、エンジンオイルには問題ありませんが、冷却水が異常に減っています。」 冷却水? 減ってたら入れておいて下さい。

しかし事はそれほど簡単じゃないと後でわかりました。詳しく調べてもらった結果、エンジンの心臓部分にあたるタンク(?)、このタンクは本来横一列にきちっと配置されているらしいのですが、どうしたことか私の車のはその内の1個がポコンッと出っ張っていたか、凹んでいたか・・・要するに1個だけ形状に異常をきたしていると判明。そのため冷却水が正常に巡回せず、エンジンの高熱により沸騰、そして減少。事態が更に悪化すれば、高熱のためエンジンはオーバーヒートして、いつどこで車が停まってもおかしくない状態とのことでした。(今は冬で外気温が低いため 危ない綱渡りができていますが、夏になれば即アウト!)

これを直すためにはエンジン部分を一度 根こそぎ車から取り外す大がかりな修理が必要で、一週間程 車を預けなければならないこと、費用は10万円以上かかり取り外して点検した結果、さらに修理が必要な部分が見つかれば金額もアップ。そして仮に今回の修理で直っても、次また違う部分が故障する可能性は高く、足回りは非常に危ない!

「うちの車、そんなに悪いのですか。一生 乗るつもりだったんですが・・・」

精神論だけでは車は走らないのでしょう。走行距離が18万7千kmですから、頑張った方なのかな。 もう お別れです。

こうして去年、暮れも差し迫った頃、車を代えたのでした。