第785回 「下関近代建築① 旧下関英国領事館」

2月3日

山口県下関市とお向かいの北九州市門司港には、近代建築がいくつもあります。出張のついでに、散策を楽しみました。中でも一番印象に残ったのは、明治39年建築の「旧下関英国領事館」でした。日本に現存する最古の領事館だそうです。

国内には港町だった長崎・函館・横浜に、英国領事館跡が残っています。下関の英国領事館は、長崎と同じ設計者(ウィリアム・コーワン)で同時期のものだそうです。

赤い煉瓦と白い石材の対比が美しい外観。南側ベランダの三連のアーチが特徴的です。

この建物は昭和29年に下関市がイギリスから購入し、その後警察派出所、考古館として使用され、平成になって重要文化財に指定。平成20年から5年半の改修期間を経て平成26(2014)年に再オープンしたそうです。

1階は展示室、2階は喫茶・パブなどのレストラン「Liz」になっています。

建設当時の赤煉瓦などの展示がある「赤レンガ室」。

入口の階段を上がると、レストランに続きます。

旧文書室にあった椅子とテーブルも雰囲気一杯で、お洒落です。

こちらは、旧領事室。暖炉の前には当時の椅子とテーブルが。

館長さんにご案内をお願いしたら、ものすごく熱心に歴史からご説明下さいました。机に座る姿はまさに、英国紳士のようです。

せっかくなので、私も「I am 領事!」なんてお茶目なフォトプロップスを持って1枚。(笑)

1階には4つ、2階には3つの部屋があり、どの部屋にも暖炉があります。
一番立派な暖炉はこの旧領事室のもので、当時のイギリス国王エドワード7世のイニシャルと王冠の浮き彫りが施されています。

暖炉の周りに貼られた装飾タイルは、部屋によって色や図柄が違っていて、それを見るのもまた面白かったです。

館長さんによると、窓の鍵や鍵穴は、長崎の英国領事館にあった物を原型として、レプリカを作って取り付けてあるそうです。小物一つでもおろそかにしない配慮が好感を持てました。

こちらの2階のレストランも、改めて取り上げますね。
お楽しみに。