第798回 「神経科学でアップデート」

5月5日

皆さま、ゴールデン・ウイークをいかがお過ごしでしょうか?
私は東京で【チーム医療】の「NLPを神経科学でアップデートする」というセミナーに一週間参加して、学生気分に浸って来ました。講師の先生は、イギリスのジョセフ・オコナー氏。セミナー名は難しそうですが、内容は非常に興味深いものでした。

NLPという心理学は苦手を克服するなど、思考パターンを変化させ、人や自分に変化を起こすことができます。そのメカニズムを神経科学的に知りたいというのが受講動機でしたが、脳の可能性の素晴らしさが強く印象に残りました。

たとえば、片方しか脳がない状態で生まれてくる赤ちゃんがいます。その子はどうなるか?という問いには、重い障害が残るだろうと予想しました。ところがアメリカでごく普通に成長した9歳の女の子に学習障害があり、スキャンしてみたら、脳が半分だったとわかったというのです。驚きました!特に赤ちゃんの脳は柔軟性があるので、素晴らしい発達ができるのでしょう。

「神経可塑性(しんけいかそせい)」も面白かったです。神経可塑性とは脳が学習するしくみのことで、言葉が話せるようになったり、ピアノが弾けるようになるのも、そのおかげです。 言葉の意味を何度も聞いたり、ピアノの鍵盤を繰り返したたいたりすると新しいニューロン(神経細胞)が成長し、情報を伝える神経突起(シナプス)は強化され、刺激が急速伝達できるように変わります。繰り返し練習することで、脳も変化するわけで、「思考や行動が脳の構造を変える」のです。

たとえば「私はダメな人間だ」と繰り返し考えると、特定のニューロンで同じシグナルが出され、その考えを強化していきます。すると「私は…」と考えると、一番早く簡単に出る答えが「ダメな人間」となる。「同じことの繰り返しで強化される」のですね。

以前からそういったネガティブな考えにとらわれてしまうことを私は「不幸ぐせ」と呼んでいるのですが、神経科学的にも納得できました。「どんな考えであれ、繰り返すと強化される」。だから、言ったもん勝ちです!「私は運がいい」「私はきっとうまくいく」などという、「幸せぐせ」をつけたいものですね。

帰りの飛行機からのキラキラした夜景が、無数の神経細胞の結びつきに見えました。

一週間の滞在でまたまた新たな仲間ができて、昼は学び、夜は様々な情報交換と非日常を目一杯楽しませて頂きました。「この感じ、何かに似てる…」と思ったら、今までとは全く違う世界に飛び込んでいった大学1年、18歳の頃の経験を思い出し、「私、まだこういう順応ができるんだ!」と、実に新鮮な気分でした。(笑)

神経科学的にいかに新しい刺激が大事なのか よくわかったので、これからも決して年齢を言い訳にせず、新しい学びをするチャレンジを続けよう!と思ったことでした。