第803回 「ほほえましい子どもたち」
6月10日
私の母は 庭で花を育てるのが大好きで、沢山の花を育てています。
ある雨上がりの日のこと、インターホンが鳴って玄関に出ると、小学校3年生くらいの男の子がしょんぼりと立っていたそうです。
「ぼく、どうしたの?」と聞くと、
「ごめんなさい。傘をふり回していたら、花を折ってしまいました」
学校帰りに傘を回して歩いていたら、たまたま塀の外へ伸びていた花に当たって茎が折れてしまったんですね。怒られると思ったのでしょう、泣いていたそうです。
「大丈夫。大丈夫。お花は、雨が降ったらまた一杯伸びてくるからね」
と母が言うと安心して帰ったそうですが、なんていじらしい!(笑)
子どもの頃、桜の木を切ってしまったことを正直に父親に話したリンカーン大統領の話を思い出しました。その子もインターホンを鳴らす時には、さぞかし勇気がいったことでしょうにね。えらいなあ。こういう体験から気概=困難にくじけない強い意志が育まれるのかもしれません。
怒らずに「大丈夫」と言ってくれた母の言葉に、その子もさぞ救われたことでしょう。83歳の母は、日頃から登下校時の子どもたちに「行ってらっしゃい」「お帰り」と声をかけています。こういう地域コミュニケーションって、大事ですよね。
そう言えば数ヶ月前、私が庭にいる時にやはり小学校低学年の男の子たちが数人、「すみません、今、何時ですか?」と話しかけてきたことがありました。
「○時○分よ」と言うと、人なつこく「ありがとう」と言ってました。胸に下げてた防犯ベルを私が指さして、「それ、カッコいいねえ」と言うと大声で、「これねえ、電池がないき、鳴らんなっちゅうが!」(笑)
少年よ、それを道ばたで他人に言っちゃあダメだよ~!
「じゃあ家に帰ったら、電池を替えてもらいなさいね」
「うんっっ!!」(笑)ニコニコの笑顔。子どもって愉快ですねえ。
昔はピンポンダッシュが流行って困り果て 学校に電話したこともありましたが(お陰さまでピタッと収まりました)、地域に子どもの声が響くってやはりいいものですね。
今、日本は不誠実な大人の言動が何かと世間を騒がせています。子どものまっすぐな気持ちを大人も改めて見習わなければいけないなあ、と学びを頂いたことでした。