第807回 「悲しみの七夕」
7月7日
6月28日から降り続いた雨。降り始めからの雨量は7日(金)夜 現在、高知県本山町で1600ミリを超え、広島、岡山、愛媛など西日本を中心とした豪雨は死者が50人。岡山県真備町では大規模な浸水が起こり、安否不明者も多数という報道があり、未曾有の広域災害に、悲しみの七夕となってしまいました。
数十年に一度の、これまでに経験したことのないような重大な危険が差し迫った異常な状況で出される「特別警報」も一時、10以上の県に出されました。「直ちに避難してください」とのNHKアナウンサーの緊迫した声が耳に残っています。しかし、この避難のタイミングは本当にむつかしいものだと思います。
高知県中部の山間部に一人で住んでいる83歳の姑に「危ないので、明日こちらに出て来て」と電話したのは4日の水曜日でした。台風が通り過ぎたのに、一向に雨が止まない。何かおかしい、早く避難したほうが良いのではと胸騒ぎがして、車で1時間半の所へ迎えに行こうとしたのです。
ところが姑は「明日は出られない。県道に出る手前に倒木があって、車が通れなくなっているから」とのこと。(遅かったか!)すでに、県内のあちこちで土砂崩れが起きていたのです。そのあたりも道幅が狭く土砂崩れが多いため、迎えに行くのも一大決心でした。
「明日は、倒木を役場が対処してくれるから行けない」と言う姑。「でも、翌日では遅いかもしれない。土砂崩れの危険は刻々と増えるから」と言うのですが、なかなか聞いてくれない。(山で一人で生きるには、芯があることが大切ですからね。)仕方ないので、夜、夫から「倒木を撤去次第、出てくる」ことを説得してもらいました。
夫が言うには「こういう時には、地元に詳しいタクシーに頼むに限る。あんたじゃ、県道のどこが危ないとかわからんやろ」とのこと。ごもっともです…。
翌日、タクシー会社の社長さんが役場に確認を取ってくださり、すぐに役場も動いてくださったお陰さまで、無事に昼前に町に出てくることができたのです。姑の笑顔を見て、本当に心からホッとしました。やはり、頼りになるのは地元の方々です!
つくづく思うのですが、危険を顧みず、大雨の中を重機を動かして土嚢を積む建設業の方々、捜索をする警察の方々、救助に向かう消防や自衛隊の方々には頭が下がります。本当にありがとうございます。
またフェイスブックでは 大阪の地震に続いて、特別警報が出た多くの県の友人たちの安否確認が簡単にでき、友人たちの無事とこのシステムに 感謝しています。
そして、悲しみと雨に耐えながら救助を待つすべての方々が どうか一刻も早く救出され、心から安心できますように…。