第809回 「知らなかった!熱中症対処の落とし穴」

7月22日

先日の夜9時頃、知人の女性から電話がかかってきました。
「今、具合が悪くて…、手がしびれてなんか意識が遠くなりそうで…熱中症じゃないかと思うんだけど」
知人は一人暮らしです。あわてて、我が家のドクター(夫)と駆けつけました。

彼女はぐったりと座っていました。昼間、外回りの仕事をして、夜まで元気だったのに急に具合が悪くなったようで、首筋など体を数カ所冷やしていました。「さっき、水もコップ2杯ぐらい飲んだんだけど、だんだん具合が悪くなってきて…」

その時夫が言った言葉。「熱中症は具合が悪くなってから水を飲んだら逆効果だよ」
え!?と彼女と私は驚きました。「水を飲んじゃいけないの!?」

「水を飲んじゃいけないんじゃなく、水だけじゃいけないんだ、塩分も取らないと。具合が悪くなってからは、水じゃなくて経口補水液やスポーツドリンクを飲まないといけない。これ、飲んで」と家から持ってきたOS-1を渡しました。(所さんがCMに出ている、あれです。)

それを飲んで話をするうちに、15分ほどで彼女は回復して、ホッとしました。
30分ほどして帰宅しましたが、私はさっきの驚きがまだ尾を引いていました。
「熱中症で具合が悪くなってから水を飲んだら、逆効果なんて知らなかった。」
「水だけじゃいけないってこと。別に経口補水液じゃなくても、水に食塩とブドウ糖を溶かしたもの だっていいんだけどね」

「ついでに言うと、コーヒーやお茶はカフェインがあるから利尿作用があって、飲んでも水分補給にはならないから、熱中症予防にはお水を飲んだ方がいい」
「じゃ、カフェインがない麦茶なら?」
「麦茶はOK」

そういえば、私が見た麦茶にはわざわざ「カフェイン0」と表記されていました。妊娠中や美容の面からもカフェインを避ける女性たちが増えているようですが、熱中症にもいいんですね。

厚生労働省の「熱中症予防のために」というサイトを見ると、
「熱中症が疑われる人を見かけたら
・涼しい場所へ  エアコンが効いている室内や風通しのよい日陰など
・体を冷やす  衣服をゆるめ、からだを冷やす
・水分補給  水分・塩分、経口補水液などを補給する 」

とありました。でも「水分補給」だけだと、「とにかく水を飲ませればいいんだ」と誤解している人は私を含め、多いように思います。いざという時のために、冷蔵庫には経口補水液を常備しておくといいですね。

それで思い出したことがあります。昔から夏には冷えたスイカを食べていますよね。塩をちょっとふると甘みが増しますが、あれってスイカの水分・糖分、そして塩と、天然の経口補水液だったのかもしれませんね。(笑)