第862回 「足摺② 穴場スポット」

8月2日

本格的な暑い夏になりました。暑いのは嫌ですが、なんで夏ってこんなに心を浮き立たせるんでしょうね。

上の写真は、土佐清水市足摺岬の鵜ノ岬展望台からの景色です。足摺岬から西へ3kmほどの所にあります。太平洋の青が印象的でしょう?足摺は灯台や唐人駄馬、お寺が有名ですが、あまり知られていない足摺の穴場スポットをご紹介しましょう。

鵜ノ岬から東へ500m、松尾という小さな漁港です。(県道27号線から、かなり急カーブがある細い道を下ってきますので、運転が苦手な方はご用心。)

ここに「海老洞」と呼ばれる洞穴があります。そんなに大きくはないのですが…

水がとてもきれいな、神秘的な青色をしているんです。川と海の水が混じった汽水域が関係してるんでしょうか?雨の後だったので、ベストな状態ではなかったと思いますが、それでもこの美しさ。木の根っこからしたたり落ちる水が水紋を作り、時の流れがゆったりしている感じです。

松尾漁港への途中の道には、国の天然記念物のアコウの巨木があります。大正13年に指定され、樹高25m、樹齢300年だそうで、うっそうと茂って昼でも薄暗い感じです。アコウは親木に寄生して気根を垂らし、最終的には親木を覆い尽くして枯死させてしまうため 別名、絞め殺しの木とも言われるそうです。

うっそうと草が茂る細い道を歩いて海岸に下りていくともう一つ、「石抱きアコウ」と呼ばれる木があります。こちらはさほど大きくありませんが、これも一見の価値があります。

どうですか?海岸の大きな石を巻き込んで成長したものですが、ちょっと魔界の木、みたいな感じしません?近くで見ると迫力があります。
え、そうでもないですか?

では、こちらをどうぞ。

中村はこれらの写真を見て「ホラー映画より怖い」と言っていました。
まあ、夏なのでお許しを。(笑)

松尾集落から車で東に数分東へ走ると、「足摺パシフィックホテル」があります。そこの駐車場には、およそホテル前には似つかわしくない巨石が鎮座しています。
残念ながらホテルのホームページを見てもいわれはわかりませんが、この辺りには以前ご紹介した大岩があったりするので、巨石が多いのでしょう。

その足摺パシフィックホテルから東へ数分、下に降りていく道の突き当たりに伊佐漁港があります。

写真の左上、漁港のすぐ近くに、海面から出ている面白い岩があるのです。
地元で「スズメ碆(はえ)」と呼ばれていると最近知りました。

昔から、この岩の割れ目にスズメがたくさん巣を作っていたとか。昭和の時代に、スズメの子をとろうとして落ちた人もいたそうです。

私が小学生の頃、画家でもある地元のおじさんとこの岩を写生したことを覚えています。半世紀たっても変わらない景色に嬉しくなりました。ここは、上の写真の角度からしか見てなかったんですが…

横から見ると、なんだか戦艦っぽく見えることに最近、気づきました。ちなみに、グーグルマップで真上から見ると、三角形なんですよ。本当に船みたいです。

あと有名な白山洞門など、今さらですがこの辺りは洞穴がすごく多いのです。波も荒く、岩質もあるんでしょうが、洞穴マップとか作れば面白いかもしれませんね。

松尾漁港(下)にも、大小の洞穴が並んでいました。

足摺には、まだまだお宝がたくさん眠っています。
どこか神秘的な土地の力を感じずにはいられませんでした。

前の記事

第861回 「ばね指」