第897回 「言葉の加減乗除」
4月5日
実は知り合いで、ちょっと苦手な人がいます。とても頭が良く、バリバリ仕事ができ、偉ぶらなくて前向きで笑顔が多くリーダーシップもある女性です。「私はこう思う」ということもハッキリ言える方です。そんな素敵な方なのに、なぜ?
なんと言うか…子どものように自由過ぎる発言をするんですね。
あるセミナーで知り合い、その後彼女からフェイスブックで友達申請を受けました。「ありがとうございます、よろしくお願いします。」というメッセージを送ったら、「ごめんなさい、間違って押したみたいです!意図してなかったので気にせずはずしてくださーい!」というお返事が…。「え?」と戸惑いました。
こういう場合、間違って押しても「意図してなかったのではずして」とマイナスの言葉は言わず、大人の対応でプラスの言葉を足して「今後とも~」みたいなことに一般的にはなると思うのです。(正直だけど、失礼な人だな)という印象は、その後も彼女の相手への配慮が見えない部分が気になりだし、苦手意識に変わりました。
思ったまま100%言っていいのは子どもだけで、大人はやはり考えて言葉を足したり引いたりしなければと思う私の価値観が、苦手意識に変えているのでしょう。
言葉を足すのは「すみませんが」など簡単にできても、いらないことを言わないなど、うまく言葉を引くのは難しい気がします。要点は伝わらないと意味がないですし、これができるのって…往年の高倉健さんでしょうか?(笑)
ここで面白いなあ、と感じました。
足すとか引くとか、計算みたいと思ったのです。
じゃあ、「かける」は?
そのまんま、「言葉をかける」!と思いついて、笑顔になりました。
言葉がけって人間関係作りには大切ですよね。「おはよう」「元気だった?」なんてあいさつの一言でも、言葉をかけてもらえると嬉しいものです。
では「割る」は?これは難しい、と考えていると横で中村が
「まあまあ、と割って入るのは?」
うーん、確かにそれもあるけど。(笑)
あ、「言葉を割り引く」って言いますね。「あの人の言うことは、少し割り引いて考えなきゃ」とか、物事を内輪に見積もることを言いますよね。
足す、引く、かける、割るを加減乗除(かげんじょうじょ)と言いますが、
言葉もこの加減乗除って大切なんだなあ、と思ったことでした。