第920回 「できることの幸せ」
9月12日
今朝は5時半に起きたのに、もう8時7分。赤ちゃんは大声で泣き続けている。次の授乳までまだ時間が空いているが、もうお腹がすいたらしい。次女は夜中の世話であまり眠れておらず、できれば少しでも寝かせてあげたい。ミルクを作って飲ませるべきか?飲ませてから、ゲップをさせる時間を逆算する。
長女のデイサービスの送迎車が来るまであと40分ほど、それまでにデイサービスの連絡帳の記入や、準備物が終了できるのか…山のような赤ちゃんの洗濯物も洗濯機にかけないと。今日の仕事の予定で、急ぐものは?もちろん、庭の水やりはずーっと後!
赤ちゃんがミルクを吐きそうな気配があると、長女の歯磨きの途中でもすべてのことを放り出して、駆け寄る。間に合った!背中をトントン叩き続け、頃合いを見てまた横にする。長女の介護と孫の世話、そして仕事と家事の両立は思ったよりも大変だった。
次女の退院時の第1次里帰りは1週間未満だったので余裕だったが、その後半月ほどで乳腺炎のため39度の高熱が出てしまい、第2次里帰りに突入。(笑)想定内でもハードだったのが、細切れにしか眠れず睡眠不足の状態がずっと続いたこと。日中も少しぼーっとしている感じだが、赤ちゃんが泣いたらすぐに臨戦態勢に入らなければいけないし お世話には時間がかかるので、集中して仕事をするのがとても難しい。そしてなぜかこういう時に、連絡を取り続けなければいけない仕事が続くものである。
34歳の長女と生後1ヶ月の孫を同じように世話してリビングのソファで10日間寝続けると、腰がガタガタ、手は腱鞘炎に。うーん、若いお母さんと違って結構こたえるなぁ。が、視点を変えれば「こんな幸せなことはない」ということになるのだろう。
確かに、良い経験をさせてもらっているとつくづく思う。ミルクの甘い匂いがする赤ちゃんを抱いてその重さと温もりを実感する時、命のつながりを肌で感じる。大人が笑顔で目を見て話しかけることで赤ちゃんは安心し、「自分は守られている」と感じ自己肯定感が育っていくのだろう。
最初はおっぱいを与えるとすぐ泣き止んだのに、生後一ヶ月の新生児期が終わるころには、「おむつ変えて」「抱っこして」「眠たいよぉ」「揺すって」などと要求が日々複雑化していくのに驚かされ、赤ちゃんの成長を実感する。そして長女も「おばさん」として甥が可愛いのか、笑顔になることが多い。
ふと、「できることの幸せ」というフレーズが浮かぶ。日常の中で色々と大変なことはあるけれど、しんどいと思うことの後にこのフレーズを入れると あら不思議、プラスに転化できることに気づく。
「育児が手伝える幸せ」
「介護ができる幸せ」
「仕事ができる幸せ」
そんな風に考えると、今のあわただしい時期も愛おしい。
そして仕事に行くとリフレッシュでき、その緊張感がまた活力を与えてくれる。
「できることの幸せ」に、心から感謝しよう。