第936回 「コロナ禍で迎える成人式」
1月9日 中村 覚
コロナの感染拡大を受けて首都圏の1都3県に1月7日、緊急事態宣言が出ました。こういった状況の中 迎えるのは 若者達の晴れの日である成人式。しかしながら 感染拡大を防ぐため、式を延期や中止する自治体も相次いでいます。
埼玉県さいたま市は 毎年さいたまスーパーアリーナで約1万人規模で行われる成人式を、今年はオンラインでの式典開催へと変更。千葉県浦安市では、恒例の東京ディズニーランドで行われる式典を3月へと延期。全国の市区町村で最多の新成人をかかえる横浜市は例年の横浜アリーナ、1か所だった会場を2か所に増やして計8回の式典の開催を決定しているようです。
高知県では10日の成人式を迎えるにあたり、高知市、須崎市を含む19市町村が、今のところ予定通りの開催を発表。延期を決定しているのは室戸市など12市町村。中止決定をしたのは南国市、香美市、田野市の3ヶ所です。苦渋の決断である中止の理由として、延期にした場合に日程調整が困難というのがあるようです。
香美市では中止を決定したものの、成人を祝う看板を設置しフォトスポットを準備、成人を迎える方々の抱負や決意などのコメントを書き込めるメッセージボードも設置しました。そして例年、成人式で渡しているという先生方のメッセージを「ご自由にお持ち帰りください」の形式で配布。大人って、優しい。(笑)
当然 これまでこのような事態は考えられなかったわけで、今回のようなことがなければ、行政側の新成人への思いなど考えもしませんでした。 あぁ~ 私も成人式、行けば良かったかな? これは後の祭り。当事者ではなくなった今だからこその見方です。
ネットで見かけた、中止や延期の成人式を迎える新成人の声を拾ってみます。
・地元の友達と久しぶりに話したかった。
・地元に帰るには交通費もかかる。
・仲の良い友達とはリモートでも会えるので、特には…。
・振袖を着ることのできる一生に一度の機会がなくなる。
・しばらく会っていない人たちと、この振袖を着て絶対に会いたい。 などなど。
とても楽しみにしている人、ちょっと冷めている人、仲の良い友達とは会場に行かなくても、リモートがあるから。(これは今の時代だからですね)。 いつの時代も多種多様、てんでバラバラと言いますか。(笑) ただ 用意した振袖を着られない、そういった人の気持ちは本当に複雑だと思います。
このことに関して、年間2万件以上の振袖レンタル販売のチェーン「一蔵」では、成人式が中止になった場合、契約金額を最大で全額返金。式典はなくなっても、振袖で家族や友達と過ごしたり撮影する人のために、3月末までレンタル延長も可能としたようです。
最後に、こういった状況下ですから、開催される成人式に参加するもしないもすべては自己責任だと思います。自分自身に判断を問われ、選択した行動によって責任が付いてくる。これこそが社会人としての第一歩なのでしょう。しかし、これまでの諸先輩方が経験したことのない大きな第一歩だとも思います。
成人を迎えられた皆さん、おめでとうございます。