第687回 「すっかり、うっかり。」
3月13日 (中村 覚)
「プレゼントですか?」「そうです。」店員さんがラッピング用紙のサンプルを見せてくれます。先日 本屋でのこと、「じゃぁ これで」と用紙を指定した後、ラッピングができあがるまで レジに近いコーナーで雑誌を見ながら時間潰しです。「お待たせしました。」 まだ少し仕事に慣れない雰囲気の残る店員さんでしたが、その分 初々しさもあり、私はさわやかな気持ちで店を出ました。
家に帰ってきて、何気なく財布を見ると お金がないっ!
-そりゃ そうですよ、買い物をすれば、お金は減ります。
いや、そうじゃなくて、お札がすっかりなくなっているんです。
なぜ わかったかと言うとこの日の買い物は分かりやすくて、1万円を出して1000円ちょっとの本を1冊 買っただけだったので、少なくとも8000円は財布にお札が入ってなくてはならないはず。
(お釣りをもらわずに帰ってきたらしい…。こいつ(自分の脳)、また やりやがった。プレゼントする本を定価の何倍もで買っちゃった。これが億万長者の気分か? 笑える。 実のところ笑えん。)
慌ててレシートに書いてあるお店の番号に電話です。事情を説明して、恥ずかしながらお釣りをもらわず帰ってきたと詳しく説明。 すると レジのお金の計算をし直して、後から電話をくれるとのことで、一旦 終了。
数分後電話があり、(この間の、数分は長かったですぞおぉ)
「確かに9000円近い余剰がレジに~」
「良かった!」
店員さんは平謝りしてくれたのですが、そんなことよりもなぜ、お釣りをもらわなかったのか? 考えてみるに、そうなんです。お金を出してお釣りをもらう前にラッピング用紙のサンプルを見せてもらい、そのままラッピングが始まり、数分後「はい、どうぞ」と渡され「ありがとうございます」と店を出たのでした。青いな。青春だな。
一方これは、もう8年前ぐらい前のある年の元旦です。
「えぇぇ、初っ端から準備不足かよ…。」
机の引き出しの中に あると思っていたポチ袋がないことに気が付きました。例年のことですが、午前中には甥っ子と会うことになっているので、こりゃマズイ。よく行く近所のコンビニエンスストアにすぐに買いに走りました。正月早々の朝9時頃の店にはお客さんは誰もおらず、レジには いつもの店長さんが一人。正月名物ポチ袋を1袋だけ買ってすぐに家に引き揚げです。
で、帰ってきてから気が付いたのですが、「お釣りをもらってない!」 厳密に言えばこの時は 900円ばかり硬貨のお釣りはもらっていたものの、お札の方をもらってなかったのです。 1万円で100円の買い物をしたので、単純計算で9900円のお釣りのはずが…。 直ちに店に逆戻り。事情を説明するとすぐにわかってもらえて、一安心。お店の方は 私が1000円札で支払いをしたと勘違いしていたようです。いつも行く店なので顔見知りであったこと、朝の早い時間帯でレジ内のお金の計算が簡単?だったことに助けられたのでした。
実はこれ以降レジでお金を払う時には、いつも「○○円でお願いします」と言おうと決めました。おつりをもらう時に自分自身が間違わないため(笑)、それと店員さんとのちょっとした挨拶のつもりで。 と言いながら つい先日 またやらかしたことを思うと、学習能力 ないのかなぁ~。
最後にもう一つ。「携帯電話がない、ない」と探したことは、誰しも一度や二度 あるはずです。こんな時、ひとしきり探してなければ、自分の電話にコールして音で居場所を察知しますよね。ところが それでも見当たらなかった時のこと。
ない、ないと探した挙句、考えに考えて 「そうか さっき、レンタルDVDを返却した時、一緒に袋に入れて返却したのかも。」 電話の返却は必要ありませんが、なぜか一緒に返却BOXに(汗)。
そうとわかれば「頼む、誰か(電話に)出て!」とあえて長い時間、自分の携帯に祈る思いでコールし続けました。結果、「あ、 はぃ」と戸惑ったような声で返事があり、「助かった!」と気分はうなぎ登り。声の主は店員さんでした。返却BOX の袋の中から音がするので、恐る恐る?出てくれたのでした。
でも忘れ物の話なら、トリは何と言ってもこの方です!
その昔、読売巨人軍でスーパースターだった長嶋茂雄さん。
野球観戦に行って、連れてきた我が子(まだ幼かった一茂さん)を球場に忘れてきたことを、家に帰って奥様に言われてお気付きになったという話。なかなかこのエピソードを超えることはできませんよねぇ。今回、自分の失敗談を3つ並べてみた私ですが、もちろん束になってもかないません。キラリと光るスターの長嶋さん、こういったうっかりもさすがのレベルです。(笑)
皆さんも、くれぐれも忘れ物にはご注意を。