第1003回 「違う分野の面白さ」
4月29日
雨の休日。コラムのテーマを考えつつ、「TOP POINT」に手を伸ばします。
この本を教えてもらってから、もう20年は経つでしょうか。TOP POINTは簡単に言うと、新刊ビジネス書の要約本です。毎月数多く出版されるビジネス関連の書籍の中から、「一読の価値ある新刊書」を10冊厳選し、1冊当たり4ページに要約しているものです。
その分野は政治、経済、学術から哲学、心理学、宗教学に至るまで実に多様で、経営者が多く読んでいるのも、うなずけます。自分では絶対選ばない分野の本を垣間見ることができるのが魅力。これを読んで「面白そう」と思い買った本は数多くありますが、また要約が まさに達人技。1冊読んでも、残るのは結局 要約部分ということが多いのに感心します。ちなみに中村も同じ本を取っていて、二人であれこれ議論?することも。(笑)
最近の中で面白かったのは、AIの分野の本です。「ロボットと人間」「ブレインテックの衝撃」「脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか」…。
中でも「ブレインテックの衝撃」は機械と脳を融合させ、直接情報をやりとりする技術の最前線が書かれていて、まさに衝撃でした。たとえば、念じるだけでスマホを操作することができるようになるかもしれないのです。
片腕を失った退役軍人が「ルーク・アーム」と呼ばれる最先端のロボット義手を付けた話も書かれていました。義手でグラスを持ち上げて水を飲めたとか、何か触ったりつかんだりすると情報が脳にフィードバックされ、その感触を得られるようになったとか。なんと この義手で、ロック・クライミングをした人までいるそうですが、今はここまで来ているんだなあと驚嘆するしかありません。
自分に置き換えて考えると小さなことですが、 私はかなりの近視で、コンタクトレンズに長くお世話になっています。50代になってからは老眼・近眼兼用レンズができて すごく助かっていますが、ここ1年ほどで急激に右目の視力が落ちてきました。年齢的に白内障も進んでいるようで、もう少ししたら眼内レンズを入れる手術をしないといけないんだろうなあと覚悟はしています。
でもレンズの性能が飛躍的に高まっている今、きっと手術をすると驚くほど世界が鮮明になるんだろうと思うと、それも悪くないと思えます。むしろ、ちょっと期待しているかも。(笑)
小学生の頃に見た石ノ森章太郎のマンガ「サイボーグ009」は、主人公の少年が最強の兵士=兵器であるサイボーグに改造されてしまった話ですが、それが今や現実のものになりつつあります。その進化スピードは「事実は小説よりも奇なり」のようですが、より良い世界につなげて欲しいものです。
決して、兵器には使うことがないように。