第1006回 「最後の言葉は?」
5月21日 中村 覚
映画、ドラマ、本、人の話など面白いと次から次へと展開が気になり、一体終わりはどうなるのか。もちろん最後まで読みたいし聞いてみたいものです。もしくは、途中までは見たけれどちょっと面白くないなぁ…。でも一応全部見ておくかと、惰性で最後まで乗り切る場合も。とにかく多少なり興味を持てば、最後が気になるのではないでしょうか。
~で ある時、思ったんです。辞書に載っている最後の言葉は?
「あ か さ た な は ま や ら わ ん」 あまたの言葉を収めた人類の英知、ロマン? ちょっと大風呂敷を広げましたが~、とにかくあの分厚い書物の最後の言葉。今まで辞書は引いても見たことがありませんでした。
結果は「腕力」。遊び半分で調べたのにこれを見た時はドキッとさせられました。ある種、人類の歴史を反映しているような。国家の腕力は軍隊。国同士の交渉が決裂した時、自国のわがままを押し通そうとする時、最後は腕力?それが良くないのはわかっているはずなのですが、これまでの歴史、今の世界情勢を考えてみても。
比喩としての話ですが、宇宙人から見ると地球人の得意なことは「戦争」。そんな話も聞いたか、読んだかしました。こういう話題からでも鋭角に突かれてしまうのかと。戦争体験はおろか、戦後の物資不足のかけらも知らない私ですが、考えさせられます。
日頃、紙ベースで言葉や字を調べる時はこの2冊を使っています。学研の現代新国語辞典と講談社の漢和辞典です。2冊共、最後は「腕力」でした。( もちろん「を」や「ん」で始まる言葉も載ってはいますが、日常的に使う言葉ではないので それらを省いての話です。)
念のため、独りよがりになってはいけないと思い、日頃は使わず隣の部屋の本棚にしまってあるもう1冊の辞書、三省堂の例解 新国語辞典を引っぱり出します。
実はこれの最後の言葉は違っていました。なんだと思います?言葉は生き物。発行された年代や出版社の意向など微妙に違うのは当たり前なのでしょうか。
「わんわん」でした。説明にはイヌのこと。幼児の言いかた。と書いてあります。胸の内で語気を強めて言ってやります。
「知ってますけど!」(笑)
だって、ちょっと悔しかったんです。いつも使っている2冊の辞書がたまたま同じ言葉で終わっていたのをいいことに、それなりの物語? 思い込みがしっかり出来上がっていたんです。それなのに~
「わんわん」はないでしょうよ。(笑)
後日、書店でまた違う辞書で調べてみると、結果はまたまた違っていました。どうも違っていて当たり前。もう結果をここで書いても意味がありません。
ただ言えるのは~
「わんわん」が一番 面白かった。(笑)