第1026回 「コメダのおばあさん」

10月8日          中村 覚

たまに行くコメダでのこと。コーヒーを飲みながら
(だいぶ空白が増えたな。そろそろ穴埋めをしないと、書くこと自体が嫌になる)
日記のことです。ちょっと書いてない期間があると、白紙のページがあれよあれよと言う間にどんどん増えます。まとめて書いている時点で、既に日記ではないのですが。

途中 トイレのため席を立った時、バッチリ目が合いました。4席ぐらい離れた所に座っている年配の女性、平たく言えばおばあさんです。70才ぐらいでしょうか。「あぁ、知り合いの〇〇さん。ご無沙汰してます」ぐらいの勢いでしたが、全然知らない人でした。

~で、トイレから帰ってきて席につく時、さっきのおばあさん、まだこっちを見ているので、内心「松葉杖、そんなに珍しいです?」と。でも どちらかというと年配の方のほうが、じ~っと見てくることが多いというのは経験則としてあるので、いつものヤツかと。ヤツというのは出来事という意味です。(笑)

20年ぐらい前は知らない年配の方から「若いのに大変ねぇ」と言われたこともあったのですが、最近は声を掛けられても ただ「大変ねぇ」としか言われなくなり、「若いのに~」という付加価値があった頃が懐かしい。(笑)

会計をするためレジに並びます。向こうの方からまだ見ているのですが、もう これでさよならです。 で、お金を払って店を出る時です。ドアの所にこのおばあさんが立っていて「どうぞ」というふうにドアを開けてくれていました。自動ドアではないので助かるのですが、それよりもこんな展開になるとは思っていもいなかったので、「あぁ ありがとうございます」とありきたりのお礼を言って、驚きを隠したというのが正直なところです。おばあさん、コクッと黙ってうなずくような感じでした。

およそ3か月後、このコメダでのこと。コーヒーを飲んでレジを済ませて帰る時。出入り口の所で、またあのおばあさんがドアを開けて待ってくれていました。
前回より驚きです。(多分、今回も私のことを見てくれていたのだと思います。前回と違い、見られていることには全く気が付きませんでしたが)

さすがに今回は「いや実は3ヵ月ぐらい前に、同じようにドアを開けて頂いて~」と改めてお礼を言います。おばあさん、ちょっと間をおいて、平然と「私はねぇ 毎日、食事をしにこの店に来ている」とだけ。他には何も言いません。

ちょっと目を細めて、
(あんたのことを覚えているとか、いないとか。別にどーこー言うことじゃないよ。
あばよ。)すごく誇張して言うと、こんな感じでした。(笑)

それ以来 コメダに行くと、このおばあさんがいないかとちょっとキョロキョロしてしまう私がいます。遠くの方からでも会釈をしたいのです。