私自身、教員採用試験は卒業時に1回だけ受験してやめちゃいましたが、長いこと講師をやりながら苦労して合格した親しい友人もいたため、採用試験に対しては結構思い入れがあります。
前半は個人面接のポイントのあと、ロールプレイと一言アドバイスを行いました。後半は、集団討議(グループディスカッション)です。企業の面接でも、最近グループディスカッションは多くなってきていますが、個人面接と違って、こちらはなかなか気軽に練習する、というわけにいきませんよね。
グループディスカッションのマナーについてお話ししたあと、実際にやって頂きます。今年、課題のテーマとして提示したのは「すべての教師はインターンシップに行くべきである、という考え方についてどう思うか」というものでした。インターンシップを知らない方もいらしたので、まずその説明の後、討議に入りました。
このテーマは大成功でした。賛成、反対、条件付き賛成など多様に別れて議論が深まり、ここ数年ではダントツに面白かったですね。
「反対だ。学生時代に、教職以外のアルバイト経験もあるし、それで十分では?」「いや、中学・高校は行くべきだ。生徒もインターンシップに行くのだから、その指導をするべき先生も行って当然ではないか」「条件付き賛成。採用されて2年目に行くのは時期としてどうか。やっと学校に慣れてきた所なのに…」
とても真剣に討議するみなさんを拝見していると、こういう先生方なら子供達もきっと大丈夫!と嬉しくなってしまいました。教師の人間性(人間力)って、実は保護者も生徒達も、とても敏感ですよね。
「企業の考え方で、プラスになることを取り入れれば、学校ももっと活性化するのでは?」「外でネットワーク作りをしておくと、学校現場に帰ってからもそれを活用して子供達に何かを伝えられると思う。」こういう意見には、思わず内心うなずいて聞いていました。実はメリットは、それだけではなくて…。
先生方が企業で半年間ほど働くと、生徒達の進路相談により具体的にのってあげられると思うのです。「就職希望先は?A社か。あそこはB先生がインターンシップに行ったから、会社の雰囲気や現場での話を聞いてごらん」っていう、生きた進路指導ができるでしょう?これって、学生時代のただのアルバイトとは、全く違いますよね。
今年は梅雨明けがずいぶん遅いですが、厳しい採用試験をくぐり抜けて一人でも多く お日さまのような笑顔が輝きますように! ご健闘をお祈りしています。
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